寒冷地手当とは?
寒冷地手当とは、寒冷地で働く公務員に支給される手当です。
寒冷地は暖房費が多くかかるため、公務員の生活費をサポートするために設けられた手当です。
ただし、ここでいう寒冷地は北海道、青森県、長野県、新潟県などの積雪地域で、明確に法律で定められています。
そのため、
「私が住んでる地域、とっても寒いから寒冷地手当ちょうだい!」
といってもらえるものではありません。
あくまでも法律で定める寒冷地に該当している必要があります。
支給期間と支給の判定日
寒冷地手当は毎年11月~3月にのみ支給されます。
11月〜3月の1日の時点で、後述する寒冷地手当の支給条件を満たす場合に、その月分の寒冷地手当が支給されます。
例えば、11月1日に寒冷地手当の条件を満たしていれば、11月の給料で寒冷地手当が支給されます。
寒冷地手当の支給額
寒冷地手当の支給額は、以下の2つの基準によって決まります。
- 職員の世帯・扶養による区分
- 寒冷地の地域区分
寒冷地の地域区分表
地域の区分 | 地域 |
1級地 | 北海道 後志総合振興局管内 空知総合振興局管内 上川総合振興局管内・宗谷総合振興局管内 枝幸郡浜頓別町・中頓別町 天塩郡幌延町 オホーツク総合振興局管内 網走郡 斜里郡清里町・小清水町 常呂郡 紋別郡遠軽町・湧別町・滝上町・興部町・西興部村 胆振総合振興局管内 勇払郡厚真町及び安平町 日高振興局管内 十勝総合振興局管内 釧路総合振興局管内 根室振興局管内 |
2級地 | 北海道 石狩振興局管内・渡島総合振興局管内 檜山振興局管内 後志総合振興局管内 空知総合振興局管内 留萌振興局管内・宗谷総合振興局管内 オホーツク総合振興局管内 胆振総合振興局管内 日高振興局管内 十勝総合振興局管内 釧路総合振興局管内 根室振興局管内 |
3級地 | 北海道 渡島総合振興局管内 檜山振興局管内 日高振興局管内 |
4級地 | 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 群馬県 新潟県 福井県 山梨県 長野県 岐阜県 岡山県 広島県 |
※上記の表に該当する地域で働いている場合、寒冷地手当の支給対象となります。
寒冷地手当の支給額は、寒冷地の「地域の区分」によって異なります。
寒冷地の「地域の区分」とは、地域の寒さや積雪量に応じて各地を1級地~4級地に分類したものを指します。
1級地は最も寒さや積雪量が厳しい地域であり、支給額も高いです。
職員の世帯・扶養による区分
寒冷地の地域区分に該当する場合、「職員の世帯・扶養による区分」によって支給額が決まります。
「職員の世帯・扶養による区分」とは「職員が世帯主かどうか」「親族を扶養しているかどうか」によって、以下の3つに分類できます。
- 職員が世帯主で、親族を扶養している場合
- 職員が世帯主で、親族を扶養していない場合
- 職員が世帯主でない場合
(※ただし、単身赴任手当を支給されている場合、寒冷地手当を受け取れません。)
職員が世帯主であれば、一家を支えるためにより多くの寒冷地手当が支給されます。
また、親族を扶養している場合も、より多くのお金が必要となるため手当が支給されます。
つまり、職員が世帯主であり、親族を扶養している場合が最も支給額が高くなります。
寒冷地手当の支給額
地域区分 | 世帯・扶養の区分 | ||
世帯主であり、 親族を扶養していない | 世帯主であるが 親族を扶養していない | 世帯主でない | |
1級地 | 26380円 | 14580円 | 10340円 |
2級地 | 23360円 | 13060円 | 8800円 |
3級地 | 22540円 | 12860円 | 8600円 |
4級地 | 17800円 | 10200円 | 7360円 |
【注意】寒冷地手当が支給されない公務員
寒冷地手当は無条件に支給されるわけではありません。
以下に該当する公務員は寒冷地位手当を受け取れません。
- 再任用職員
- 非常勤職員
- 懲戒停職処分中の公務員
- 育児休業中の公務員
ただし、病気休職中の職員には寒冷地手当が80%されます。
病気休職のようなやむを得ない事情で休んでいる公務員に対しては、寒冷地手当が支給されます。
- 結核による休職:2年間まで手当額の80%支給
- 心身の故障による休職:1年間まで手当額の80%支給
例えば、世帯主であり、親族を扶養している旭川市(地域区分:1級地)勤務の公務員は、通常月額で26380円の寒冷地手当が支給されます。
この公務員が心身の故障により病気休職となった場合、
26380円 × 80% = 21104円 の寒冷地手当を受給できます。
【まとめ】寒冷地は意外と暖房費がバカにならない
暖かい地域の人からすると、
「寒冷地手当なんて手当は意味わからん!支給する意味あるのか?」
と思う方もいるかもしれません。
ですが、積雪地域は思っている以上にお金がかかります。
常時ヒーターをつけっぱなしにするので、灯油代や電気代もバカになりません。
私も寒い地域に住んでいたことがあるのですが、当時は暖房費だけで1万円〜2万円かかることもザラにありました。
家族を持っていたり、北海道の雪が多い地域だとさらに費用はかさみます。
だから、寒冷地手当で儲けられるなんてことはなく、むしろそういった寒い地域で働く公務員が暖房代ビンボーにならないために、寒冷地手当は存在しています。
ここまでご覧いただきありがとうございました。