こういった疑問にお答えします。
公務員説明会とは?
筆記試験勉強が山場を迎える毎年11月〜2月頃に公務員の説明会が開催されます。
1回あたり15分〜60分程度の説明会で、各自治体や省庁が自分の組織の業務内容や強みや課題などのPRをして、就職希望者を募るこを目的としています。
開催場所は大手公務員予備校(TAC・LEC・大原など)や大学で開催されます。
公務員受験者にとっては自治体の強みや弱みや雰囲気を知れる貴重な機会なので、時間があればぜひ参加することをおすすめします。
どうして説明会に行ったほうがいいの?
ホームページやパンフレットでは見ることのできない「生の声」を聞くことができる
これが就職説明会の一番大きなメリットです。 説明会には自治体の職員が必ず訪れます。
実際に現場で働いている職員からは得られるのは
「仕事でこんなことが辛かった」「こういう思いを持って働いている」という生の声を聞くことができます。
さらに、見てほしいのが「雰囲気」「考え方」です。
組織のカラーが明確に現れています。
面接の志望動機をより明確にできるし、面接のネタになる
説明会に出ることによってパンフレットからはわからない課題を発見することができます。
生の職員の声を聞くことで志望動機をひとつ付け加えることができます。
例えば本番の面接で「説明会でお会いした〇〇さんのお話に共感し、△△市に憧れて志望しました」など、志望動機をより具体的にできます。
実際に、同期でも当時の人事課の職員に憧れて入った人は結構おり、志望動機としても3分の1くらいの人が説明会の職員の話を志望動機に織り込んでいました。
本当に就職先としてあっているか確認することができる。
面接の志望動機として、ではなく真の意味で就職先に向いているかを判断できます。
自分の志望する組織のカラーが自分が思い描いているものと結構違っているということは意外とあります。
私の市役所の具体例を話してみたいと思います。
私の市役所が説明会で話した具体的なエピソード
私が3月頃にある大学で説明会を行った時、同じ人事課の先輩が仕事に対するリアルを話しました。
内容としては
(つまり、24日間休み無しで働いているということ!笑)
確かに忙しくて大変だと思うこともありますが、人事課の職員としてこういった場でみなさんにお会いして、お話させていただく機会をもてたことにやりがいを感じます。
というのも、私は説明会がきっかけで自分が目指したいと思える人に会えたことがきっかけで◯◯市で働くことをきめたからです。
私は説明会であった人事課の△△さんに憧れて就職して、今もその気持ちを持ったままやりがいを感じて仕事をしています。
そして、◯◯市に就職して、今回の異動で一緒に人事課で働くことができました。当時受験生として、説明会で話を聞く側だった私が、今度は憧れていたAさんと同じ立場で話をする側になれたことも非常に嬉しいです。
公務員の職場は大変な面もありますが、熱い「想い」をもって一緒に働ける人に来てほしいです。
これは時の説明会で先輩が本当に話した内容です。
きっと、この話をきいて「ブラックすぎてやめよ!」と思う人もいれば「大変そうだけどなんか熱い人が働いてるな!」と思う人もいます。
生の声を聞くことで、モチベーションも上がるし、逆に合わないっと思ったら早めに方向転換できます。
こういうリアルな話を聞けるのも説明会の良いところで、この話をきいて、実際に私の同期には説明会でこの先輩の話が決め手で就職した人が4分の1くらいはいました。
一方で、「なんかこの志望先思ってたのと違うなー」というのを知ることができれば早めに方向転換することができます。就職機は今後何年間もの人生をその組織で過ごすことになるため、ここが非常に大きなメリットではあります。
そもそも就職先が変われば対策する勉強内容もガラッと変わってくるため、できるだけ早くリアルな様子に触れておくべきです。
(ちなみに、3月の人事課は年を通して最も忙しい時期で、私も14連勤くらいはしていました。)
自治体の政策や強み、課題がわかる。
自治体では各組織の政策などを説明します。
要約されているので志望動機の参考にすることができます。
自治体によっては人事の志望動機も聞けるので参考にできる部分は多いと思います。
一例として、私の市では次のようなことを話していました。
市の強みや課題を話しました。
- まちづくり;市役所周辺の街の中心部の作り
- 観光:外国人観光客の増加させるための施策
- 子育て:待機児童の増加が課題
- 防災面:木密地域があり、防災的に課題がある。
- スポーツ:東京オリンピックに向けたスポーツ施設の充実化
- 福祉;高齢者福祉のビジネス重点産業化導入政策
- 住民対応:窓口の混雑状況の配信サービス
- 今後、団塊の世代職員が大量に定年退職し、若い職員の力が必要になるということ
どの説明会に参加すればいいの?
公務員の説明会には、大手予備校が開催する合同説明会と各組織が開催する個別説明会があります。
合同説明会
大手予備校(TAC・LECなど)や大学で開催されること多いです。
メリット:多くの組織の情報を入手できる
デメリット:ひとつひとつの組織が説明する時間が短く、内容が薄くなりがち
個別説明会
各組織が独自に会場を用意して開催されることが多いです。
メリット:一つの組織について説明会の時間が長時間取られており詳しい情報を入手できる
デメリット:複数の組織の情報を得ることができない
それぞれメリット・デメリットが存在しており、志望度によって参加する説明会を選ぶべきです。
どこに就職したいか決まってない人はとりあえず大手予備校の合同説明会に出ておくべき!
一番最初に11月頃から大手予備校の合同説明会が始まります。
大手予備校の説明会ではいろいろな自治体の説明会をちょっとずつかいつまんで開催しています。
なんとなくでいいので参加してみて話を聞いて参考にしてみてください。
どの自治体も説明会では要点をまとめ、伝えたいことを集約しているので自分で調べるよりも効率的に情報収集できます。
志望している就職先が決まっている人は個別説明会に参加すべき!
個別説明会は合同説明会に比べて時間も十分にあり、より詳細に話しをすることが多いです。
また、合同説明会では人事のみが参加する事が多い一方で、個別説明会では市の人事課意外の職員も参加することが多く、よりいろいろな情報を集めることができます。
個別説明会では、合同説明会よりも十分な時間を確保しており、より質問を詳しく聞くことができます。
個別質問の時間が設けられたらぜひ色々聞いておくべき。リアルな話を聞ける一番いいポイント
公務員説明会参加の準備
説明会に行くための服装は?
合同説明会は私服の割合が多かったです。
個別説明会はスーツの割合が多かった印象です。
ただし、服装についてはよほど奇抜な格好でなければ人事の目にとまって採用に悪影響を与えることはありません。
説明会に参加する前の準備は必要?
説明会に参加する前にインターネットやパンフレットなどで基本的な情報を抑えておくのが望ましいです。事前リサーチで気になった点や不明な点を理解できるし、質問などができるからです。
ただ、すべての自治体をリサーチするのは時間的に難しいと思います。
そのため参加する説明会で、自分の興味のある組織から優先的にリサーチしておくのが効率的だと思います。
自分の興味のある組織⇛ある程度事前リサーチしておく
あまり興味のない組織⇛下調べしないで参加する
という方法でいいと思います。
説明会に参加する組織について、知識が全く無くても説明会でわかりやすく解説してくれます。
公務員説明会参加中にするべきこと
個別質問のチャンスを活かす!
志望度の高い自治体であれば、個別質問を活用すると良いでしょう。
説明会は直接対話ができるチャンスなので、インターネットで調べてもわからなかった点等を聞くことができる貴重な機会です。
また、説明に来ている職員を通して組織の雰囲気を感じ取ることもできると思います。
説明会に来ている職員は公務員試験上位合格者。受験勉強の相談もできる!
私の市役所では、説明会に出席している人たちは基本的に各部署で優れている人たちでした。
私が説明会に出たときも、出席した人は内定順位がトップ3に入っている人+上位合格の人たちです。受験勉強法を聞くのに実はおすすめの場所だったりします。
志望先の説明会に行けなかったら内定に不利?
いろいろな理由で説明会に参加できなかった人もいると思います。説明会に参加できなかったときの対処法を解説します。
まず、第一に挙げられる不安が
「説明会に参加していないと内定に不利ではないか?」という点です
これは半分本当で、半分ウソです。
説明会に参加していなくても面接で選別されたり、減点は一切ありません。
私の市役所では面接の参加によって、受験者を選別したり、加点・減点するということは一切行っていませんでした。
また、面接に際して説明会に来ている人の履歴はチェックしていません。
ですので説明会に来たからと言って加点は一切ありませんし、欠席したからと言って減点されたりすることはありません。
それでも人事に顔を覚えてもらったほうが面接で有利なんじゃないの?
「説明会にきている職員」と「面接で合否を決める職員」は別の人なので覚えてもらっても意味はないことが多いです。
説明会に参加するのは「人事権を持たない若手職員」が一般的です。
一方で、実際に面接を行うのは「人事権を持つ管理職」が多いです。
私の市役所は若手職員が説明会を主導しており、実際の面接をするのは管理職の人でした。
ただし、自治体によっては、面接試験官に面接を若手面接官を起用していることもあるので、一概には言えません。
(私が受験した自治体だと横浜市は二次面接を若手職員が行っていました。)
ただし、それでも採点基準は明確に存在しているのでそこまで大きな影響はないと思います。
「情報面」という意味ではたしかに不利かも
個別説明会に参加した人は、 ホームページやパンフレットに載っていない自治体の魅力や強み・課題を知っているかもしれないし、「生の声」を聞いてより具体的な志望動機を建てることができます。
この点では参加している人一日の長があると思います。
しかし、「情報面」をカバーする方法はいくらでもあります。
実は私も内定先の自治体を受験することを決意したのは試験日2周間前で、就職先の説明会にはほとんど参加していなかったため、情報がありませんでした。
そこで私が「情報」を得るためにやったことを書いてみます。
志望先の説明会に行けなかった人の対処法
市の人事課に直接連絡して個別面談をお願いする
市の仕事を聞く機会は何も説明会だけではありません。
直接、市の人事課に問い合わせて、個別面談をしてほしい旨を伝えてみてください。
市の職員に直接話しを聞く約束をするのは、たしかに勇気がいるとは思いますが、一歩踏み出すことで内定の確率が上がります。
これから将来40年間の就職先を確保するためにも勇気を持って連絡してみましょう。
実際に、私が人事課で働いていたときは面談をしたい旨を連絡いただくこともけっこうありました。
その際は、説明会でもらえなかった資料やパンフレットをお渡ししていましたし、説明会でどんな内容を話していたかもお答えしていました。
また、受験生が
といえば、
その課で働いている人に声をかけて個別相談をしてることもありました。
場合によっては、説明会よりも密度の濃い質問ができます。
まとめ
時間的に余裕があれば、説明会には参加したほうがいいと思います。
情報を効率的に収集できるほか、生の声を聞いて志望動機の参考にしたり、本当に就職先にあっているのか見聞きできる貴重な機会です。
また、説明会への参加・不参加によって合格順位に影響を与えることはまずありません。
説明会に参加したかどうかよりも、志望先への熱意や受験生の能力によって判定されます。
説明会へ参加できなかった場合は市へ直接問い合わせてお話を聞く機会を設けてもらうのがおすすめです。
ここまでご覧頂きありがとうございます。ぜひ参考にしてみてください。