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手当

最高月額40万円以上!公務員の医師・歯科医師に支給される初任給調整手当について解説します

今回は、初任給調整手当ついてご紹介します。

この手当は主にお医者さん(医師・歯科医師)に支給される手当ですが、最大で月額40万円以上もらえる手当です。

初任給調整手当とは?

初任給調整手当とは?

初任給調整手当とは、専門的知識を必要とし、採用による欠員補充が困難であると認められる職に採用された職員に一定期間支給される手当です。

勤務地や職種に応じて、なんと最大で月額414800円、最長で35年間も手当の支給を受けることができます!

採用が困難な職種の人に対して、初任給を少しでも高くすることで、人材確保につなげるために設けられた手当です。

例えば、離島・へき地・人口の少ない市町村など勤務地としてあまり人気のない地域に勤務する医師や歯科医師などの貴重な人材に対して支給されます。

言ってしまえば、

「人気がなくて誰も就職したがらない場所だから、給料を多く出すからだれか来て~」

という趣旨の手当です。

初任給調整手当の支給条件・支給額

初任給調整手当を得るためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • 貴重な職種であること
  • 離島、僻地、人口の少ない場所に勤務していること

順番に解説していきます。

貴重な職種であること

初任給調整手当を受け取れる貴重な職種とは、

ズバリ「お医者さん」を指しています。

つまり、初任給調整手当を受け取れるのはほとんどが医師・歯科医師に限られています。

(残念ながら、医者以外の職種は原則初任給調整手当の支給対象に含まれていません)

ただし、人事院がどうしても必要だと判断する場合のみ、その他の職種でも初任給調整手当を受け取れることがあります。(国家公務員の場合)

離島、僻地、人口の少ない場所に勤務していること

初任給調整手当を受け取るためには、人がなかなか集まらない地域で勤務していることが条件です。

具体的には、以下の7つに分類されています。

7つの勤務地区分

  • ①離島やへき地、沖縄県に勤務する採用が困難だと人事院が認めるもの
  • ②人口が少ない市町村で採用が困難だと人事院が認めるもの
  • ③地域手当の級地区分が5~7級地に勤務する職員
  • ④地域手当の級地区分が4級地に勤務する職員
  • ⑤地域手当の級地区分が1~3級地に勤務する職員
  • ⑥行政職、教育職、研究職、医学に関する知識があると認められる人
  • ⑦高度な専門知識を有しており、採用が困難だと人事院が認める3級以上(係長クラス)の研究職
  • 上記はそれぞれ以下のお仕事に該当します
    • ①〜⑤:国公立の病院などで働く普通のお医者さん
    • ⑥:厚生労働省の本省などで働く医系技官(事務次官)など
    • ⑦:試験研究機関の研究員など
  •  

※地域手当の級地区分とは、国内の地域を物価や消費水準の高さでランク付けしたものです。

数が大きいほど物価や消費水準が低くなります。

例えば、1級地には東京都23区などの都心が該当し、7級地には札幌などの地方都市が該当します。

一般的に、お医者さんは都心に集中してしまい、地方で不足していることが多いため、級地が低い地方ではたらくお医者さんの初任給手当額が高くなります。

初任給調整手当の支給額(月額)

初任給調整手当は上記の①〜⑦の区分に応じて以下のように支給されます。

(※該当部箇所が月額支給されます)

職員の区分
1年未満414,800368,800308,600251,200184,70050,800100,000
1年以上
2年未満
414,800368,800308,600251,200184,70050,800100,000
2年以上
3年未満
414,800368,800308,600251,200184,70050,800100,000
3年以上
4年未満
414,800368,800308,600251,200184,70050,800100,000
4年以上
5年未満
414,800368,800308,600251,200184,70050,800100,000
5年以上
6年未満
414,800368,800308,600251,200184,70050,80090,000
6年以上
7年未満
414,800368,800308,600251,200184,70049,00080,000
7年以上
8年未満
414,800368,800308,600251,200184,70047,20060,000
8年以上
9年未満
414,800368,800308,600251,200184,70045,40040,000
9年以上
10年未満
414,800368,800308,600251,200184,70043,60020,000
10年以上
11年未満
414,800368,800308,600251,200184,70041,800 
11年以上
12年未満
414,800368,800308,600251,200184,70040,000 
12年以上
13年未満
414,800368,800308,600251,200184,70038,200 
13年以上
14年未満
414,800368,800308,600251,200184,70036,400 
14年以上
15年未満
414,800368,800308,600251,200184,70035,000 
15年以上
16年未満
414,800368,800308,600251,200184,70033,600 
16年以上
17年未満
410,400364,800305,300248,600183,10032,200 
17年以上
18年未満
406,000360,800302,000246,000181,50030,800 
18年以上
19年未満
401,600356,800298,700243,400179,90029,400 
19年以上
20年未満
397,200352,800295,400240,800178,30028,000 
20年以上
21年未満
392,800348,800292,100238,200176,70026,600 
21年以上
22年未満
373,400331,900278,300226,200167,50026,000 
22年以上
23年未満
353,600314,700264,300214,300157,70025,400 
23年以上
24年未満
334,300298,000250,800202,300148,60024,400 
24年以上
25年未満
314,900281,100236,900190,500138,90023,800 
25年以上
26年未満
295,400264,200223,200178,700129,70023,200 
26年以上
27年未満
272,700243,400205,600164,300118,70022,600 
27年以上
28年未満
250,500223,000188,500150,000108,30022,000 
28年以上
29年未満
228,100202,600171,200135,70098,00021,200 
29年以上
30年未満
205,300181,800153,600121,40087,00020,900 
30年以上
31年未満
180,500159,900135,600106,40076,40020,500 
31年以上
32年未満
155,600138,000117,30091,60065,30019,900 
32年以上
33年未満
131,000116,30099,40076,40054,90019,000 
33年以上
34年未満
92,90084,40073,40057,30040,70018,100 
34年以上
35年未満
57,60054,60049,10038,90027,50017,400 

もし区分①で勤務する1年目のお医者さんならば、初任給調整手当だけで最大月額414800円ももらうことができます。

これは全ての手当の中で最高水準です。

初任給調整手当の支給期間

  • 区分①〜⑥:採用後35年間支給
  • 区分⑦:採用後10年間支給

初任給調整手当は、最大で35年間までしかもらうことができません。

ただし、初任給調整手当の支給が終わる頃には、基本給だけで十分な収入を得ている年齢なので、さほど問題はないでしょう。

初任給調整手当ってどうして必要なの?

初任給調整手当ってどうして必要なの?

初任給調整手当なんて聴き慣れない手当をどうしてわざわざ作ったんだろう?

という疑問にお応えします。

「わざわざこんな手当を作らなくても、初任給を引き上げればいいんじゃないの?」

という意見もありますが、それには問題があります。

それは先に就職している先輩職員に不公平感を生んでしまうことです。

公務員は「俸給表」と呼ばれる給料テーブルに基づいて毎年の給料が決定されます。

もし、採用時の初任給を高くして職員を採用すると、毎年高い初任給に基づいて昇給していきます。

しかも、公務員の昇給は横並びが基本で、毎年みんな同じくらい昇給していきます。

もし初任給を高くしてしまうと、先輩公務員の給料が初任給の高い後輩公務員の給料に一生追いつけないという変な事態が生じます。

「新卒より5年も長く働いているのに、俺の方が給料が低い、、、」

となれば不公平感が生じてしまい、職場内の不和を生みます。

それを防ぐために生まれたのが初任給調整手当です。

初任給調整手当の特徴

  • 採用されてから年が経つにつれて手当が徐々に減額される
  • 初任給調整手当はボーナスに含まれない

初任給調整手当を用いれば、いずれは先輩職員の方が後輩職員よりも給料が高くなり、不公平感も生まれにくくなります。

初任給調整手当の注意点

初任給調整手当の注意点

初任給調整手当が支給されない期間

初任給調整手当には、支給停止期間が存在します。

休職期間中
病気休職や育児休業中には初任給調整手当が支給されません。

職場派遣・研修派遣に行っている期間
職場派遣・研修派遣でもともとの勤務地を離れている間も支給されません。
※元の職場に復職すれば、初任給調整手当の支給は再開されます。

初任給調整手当の支給が終わるタイミング

初任給調整手当の支給年数を終えた時
ex)採用されてから35年以上働いたお医者さん

初任給調整手当の支給対象の職務から離れた時
ex)医者から事務職に転向した場合

初任給調整手当の支給対象地域から離れた場合
ex)沖縄県から東京都へ異動した場合

【まとめ】初任給調整手当は毎年右肩上がり!

少子高齢化が進み、特にへき地の地方公務員の給料は削減傾向にありますが、初任給調整手当は例年右肩上がりです。

高齢化が進むほどに地方におけるお医者さんの必要性は高まっています。

そういった社会的な背景を踏まえて、初任給調整手当は定期的に増額される傾向にあります。

高齢化が加速する日本では、将来もしばらくは初任給調整手当の増額は見込めそうです。

地方にUターンする予定の医学生の方は、ぜひ公務員になることも視野に入れるといいかもしれません。

公務員予備校のまとめ記事は以下で紹介しています。

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