- 【2019年版】国家公務員の平均年収をランキング形式で紹介!
- 【2019年版】国家公務員職種別平均年収ランキング
- 第1位 事務次官、本府省局長、審議官(指定職俸給表):1688.5万円
- 第2位 医師、歯科医師(医療職俸給表(一)):1399.4万円
- 第3位 弁護士、公認会計士(特定任期付職員俸給表):1013.8万円
- 第4位 専門スタッフ職(専門スタッフ職俸給表):989.4万円
- 第5位 研究員(研究職俸給表):915.5万円
- 第6位 招へい型任期付研究員(第一号任期付研究員俸給表):806.6万円
- 第7位 大学に準ずる学校(国立看護大学校等)の教授、助教授(教育職俸給表(一)):783.2万円
- 第8位 船長、航海士(海事職俸給表(一)):775.4万円
- 第9位 高等専門学校に準ずる学校(看護師養成所等)の教員(教育職俸給表(二)):759.3万円
- 第10位 航空管制官、特許庁の審査官(専門行政職俸給表):729.5万円
- 第11位 税務署職員(税務職俸給表):720.1万円
- 第12位 一般行政職員(行政職俸給表(一)):675.9万円
- 第13位 海上保安官(公安職俸給表(二)):674.1万円
- 第14位 若手育成型任期付研究員(第二号任期付研究員俸給表):648.1万円
- 第15位 生活支援員、保育士(福祉職俸給表):648.1万円
- 第16位 警察官、皇宮護衛官、刑務官(公安職俸給表(一)):616.7万円
- 第17位 甲板長、機関員(海事職俸給表(二)):616.3万円
- 第18位 薬剤師、栄養士(医療職俸給表(二)):582.4万円
- 第19位 保健師、助産師、看護師(医療職俸給表(三)):582.4万円
- 第20位 守衛、用務員、自動車運転手(行政職俸給表(二)):540.6万円
- 国家公務員は全公務員の中で最も安定して年収が増加がしやすい公務員
- 国家公務員職種別平均年収ランキング(※新卒がなることができる職種のみ)を紹介!
- まとめ
【2019年版】国家公務員の平均年収をランキング形式で紹介!
2018年分の最新の国家公務員の平均年収をご紹介します。
国家公務員には、職種や役職ごとにそれぞれ金額が決まった俸給表(給料テーブル)を使用して給料が算出されます。
例えば、
- 医師→医療職俸給表(一)
- ふつうの文系大卒行政職→行政職俸給表(一)
というように、職種で適用される給料テーブル(俸給表)が異なります。
今回は、平成30年国家公務員給与等実態調査を元に、それぞれ職種ごとの平均年収をご紹介します。
【2019年版】国家公務員職種別平均年収ランキング
第1位 事務次官、本府省局長、審議官(指定職俸給表):1688.5万円
指定職俸給表は、各省庁の行政職公務員のトップが適用される俸給表です。
つまり、出世しまくって最後に到達できるいわば「公務員」のゴールポジションです。
国家公務員の中でも0.1%しか適用されることのない俸給表なので、ふつうの国家公務員にはあまり参考にならない数字です。
第2位 医師、歯科医師(医療職俸給表(一)):1399.4万円
医師、歯科医師に適用される俸給表です。
世間的には、医師の方が歯科医師よりも就職難易度や年収が高いことが多いです。
しかし、公務員の場合は、医師と歯科医師は全く同じの給料テーブルが適用されます。
歯科医師は地域によっては供給過剰で生活していくのも困難な人が出てくるほどなので、歯科医師にとって国家公務員はコスパの良い職業だと言えます。
第3位 弁護士、公認会計士(特定任期付職員俸給表):1013.8万円
特定任期付職員俸給表は、弁護士や公認会計士などの高度な専門性を有する職について民間企業のキャリアを生かした専門人材を活用するために近年作られた制度です。
専門的スキルがあれば、弁護士や公認会計士以外でも適用されることがあります。
いずれにしても民間企業で一定以上の成果を上げないことには、そもそもお声がかからないものなので、ふつうの人にはあまり関係のない給料テーブルです。
第4位 専門スタッフ職(専門スタッフ職俸給表):989.4万円
公務において職員が培ってきた高度の専門的な知識や経験を活用するため、部下を持たず特定分野の任務に当たる職種を指します。
検査計画官、分析専門官、法制研究官など名前は立派ですが、その実態は出世できなかったキャリア組(国家公務員総合職)の受け皿として作られた職種です。
2008年度に世間の天下りバッシングが激化した際、天下りの代わりの受け皿として作られた職だからです。
そのため、給与水準はキャリア官僚に劣らない比較的高めの金額が設定されています。
ですが、この職務に就く人はキャリア出世レースから外れた40代〜50代くらいの人が対象のため、ふつうの若手国家公務員にはあまり関係がありません。
第5位 研究員(研究職俸給表):915.5万円
国立の研究所で研究の職務にあたる国家公務員適用される俸給表です。
第6位 招へい型任期付研究員(第一号任期付研究員俸給表):806.6万円
民間企業などで顕著な業績を納めている人を招へい(礼を尽くして人を招くこと)して研究にあたってもらう場合に適用される俸給表です。
「招へい(礼を尽くして人を招くこと)」という言葉が使われるだけあってこの職種に選ばれる人は大学教授や有名企業の重鎮が多く、非常にハイレベルです。
例えば、
- 高橋稔彦氏:元新日本製鐵(株)技術開発本部鉄鋼研究所主幹研究員。世界で初めてワイヤの金属組織を原子レベルで解析し強化機構を解明した「遅れ破壊」研究の第一人者。
- 村井純:JUNETから始まった日本におけるインターネットの創始者の一人
など、どの人も検索すれば名前が出てくるほどの功績者の方々ばかりです。
なので、この俸給表もふつうの国家公務員にとっては全く縁のない職種です。
第7位 大学に準ずる学校(国立看護大学校等)の教授、助教授(教育職俸給表(一)):783.2万円
人事院が指定する特定の大学の教授、助教授に適用される俸給表です。
ポイントは「人事院が指定する大学」という部分で、現在人事院が指定する大学は「気象大学校又は海上保安大学校」の2つのみです。
これ以外の大学は、それぞれが独自に規則で俸給表を設定するため、同じ国立大学の教授でも、大学によって給料が異なります。
いわゆる大学教授の給料水準なので、それなりに高めの金額が設定されています。
第8位 船長、航海士(海事職俸給表(一)):775.4万円
海上で働く国家公務員の中で船長などリーダー格の役職の人に適用される俸給表です。
海事職俸給表(二)の人が出世して、船長などの役職につくとこの俸給表が適用されるようになります。
第9位 高等専門学校に準ずる学校(看護師養成所等)の教員(教育職俸給表(二)):759.3万円
人事院が指定する国立高校の教員に適用される俸給表です。
教育職俸給表(一)の大学教授よりも低く設定されています。
現在、この俸給表の適用を受けるのは以下の3ヶ所の教員のみです
- 国立ハンセン病療養所の看護師養成所
- 国立障害者リハビリテーションセンター
- 国立光明寮(視覚障害者のための施設)
第10位 航空管制官、特許庁の審査官(専門行政職俸給表):729.5万円
専門行政職俸給表は、いわゆる「専門職」的な職務を行う人に適用される俸給表です。
具体的には、
- 植物防疫官
- 特許審査官
- 海事技術専門官及び船舶検査官
- 国土交通省航空局の航空専門官
- 食品衛生監視員
などが該当します。
いずれの職種も公務員試験ではかなり人気と言われる職種です。
専門職だけあって、平均年収も高くてやりがいもあるため、国家公務員受験生にとってはおすすめの職業です。
第11位 税務署職員(税務職俸給表):720.1万円
税務署で働く職員に適用される俸給表です。
ふつうの文系大学受験生が受けられる職種の中では、一般行政職の俸給表よりも高く設定されていてお得な職業です。
いわゆる国税専門官と呼ばれる人たちに適用されます。
(ちなみに、国税専門官とよく似た財務専門官には税務職俸給表が適用されません。財務専門官には、行政職俸給表(一)が適用されます。)
第12位 一般行政職員(行政職俸給表(一)):675.9万円
ほかの職種の俸給表にあてはまらない全ての職種に対して、この行政職俸給表(一)が適用されます。
一般的な事務職などの国家公務員がこの俸給表を適用されます。
第13位 海上保安官(公安職俸給表(二)):674.1万円
海の警察こと海上保安官に適用される俸給表です。
海上の安全及び治安の確保を図ることを任務としている国家公務員である海上保安官に適用される俸給表です。
第14位 若手育成型任期付研究員(第二号任期付研究員俸給表):648.1万円
独立して研究する能力があり、研究者として高い資質を有すると認められる若手の研究者に適用される俸給表です。
平均年齢も34.3歳と若めです。
若手の研究者に対するポストの確保のために作られた職種です。
第15位 生活支援員、保育士(福祉職俸給表):648.1万円
福祉職の国家公務員に適用される俸給表です。
国立の保育園は存在しないため、国立の障害児施設などで勤務することになります。
第16位 警察官、皇宮護衛官、刑務官(公安職俸給表(一)):616.7万円
全国の警察の総まとめ役となる警察庁や、天皇が住む皇居まわりを警備する護衛官や刑務所で働く刑務官に適用される俸給表です。
第17位 甲板長、機関員(海事職俸給表(二)):616.3万円
海で働く国家公務員のうち役職のつかない一般的な職員に適用される俸給表です。
海上保安官(公安職俸給表(二))と異なる点は、海の保安を目的としない点です。
例えば、税関などでは密輸の取り締まりを行う税関監視艇などに乗って仕事をする
第18位 薬剤師、栄養士(医療職俸給表(二)):582.4万円
薬剤師と栄養士の俸給表が同じく設定されています。
通常薬剤師になるには6年生大学を出る必要がある一方で、栄養士は短大卒などでもなることができます。
そのため栄養士の方は国家公務員になるのはコストパフォーマンスが良いと言えます。
第19位 保健師、助産師、看護師(医療職俸給表(三)):582.4万円
国立ハンセン病療養所などの国立病院で働く看護師に適用される俸給表です。
第20位 守衛、用務員、自動車運転手(行政職俸給表(二)):540.6万円
いわゆる「現業職」と呼ばれる人たちに適用される俸給表です。
国家・地方問わず現業系公務員の給料は全職種の中で最も安く設定されています。
国家公務員は全公務員の中で最も安定して年収が増加がしやすい公務員
国家公務員の年収は毎年右肩上がりになっています。
リーマンショックなど世界的不況の時には年収は一時的に減少するものの、それ以外の時は例年右肩上がりです。
特に、近年は地方公務員の中でも財政難や将来性を理由に平均給与の引き下げを行なっている自治体も増えてきている中(私が勤めている市役所も好景気にもかかわらず年収減少が若干傾向にあります。)、国家公務員は好景気時には基本的に年収が右肩上がりです。
国家公務員は、多くの税収減を持っており、法律の制定に関与することによって財源を確保しやすい状況にあります。
そのため、国家公務員は全公務員の中でも最も安定して年収増加が期待できる公務員です。
国家公務員職種別平均年収ランキング(※新卒がなることができる職種のみ)を紹介!
上記の「【2019年版】国家公務員職種別平均年収ランキング」には、出世や配置転換をしないとつくことのできない職種がいくつか含まれています。
また、平均年齢も異なるため必ずしも正確な給料ランキングとなっていません。
そのため、今度は俸給表を用いて一般的な4年制大学新卒がつくことのできる職種の初任給の額(俸給表の1級25号給)を比較して職種別給料ランキングを決定します。
【2019年版】職種別国家公務員の大卒初任給ランキング
※大学新卒からストレートで就職できない職業を除外しています。
ざっくりと序列をつけると
医者>教師>警察>税務署>医療職>一般事務>現業職
という順番になりました。
初任給のみで比較すると一般行政職が最も安い
初任給を比較すると、医者や教師や専門職などの給料が高い一方で、一般行政職が最も安いという結果になりました。
一般行政職は、医者や教師や警察官など特定の職種に該当しない(専門性を持たない)公務員が該当し、専門性がないため給料が安く設定されています。
しかし、全俸給表の中で平均年収が最も高い「指定職俸給表」(各省庁のトップ)に出世しているのも一般行政職です。
そのため、初任給が安くても後から出世して、生涯年収ベースで逆転する可能性もあります。
国家公務員になるなら年収以外の軸を持つのも効果的
国家公務員の年収は民間企業の平均値をとって算出されます。
そのため、純粋に高い年収が欲しい場合は民間企業に行ったほうがいいです。
ですが、国家公務員の魅力は年収だけではなく、「法令を使ってスケールの大きな仕事ができる点」、「専門的な仕事に取り組める点」「福利厚生が充実しており、雇用が安定している点」などにもあると思います。
国家公務員であれば、基本的に生活に困るような給与水準ではないので、給料以外に「自分がなにをしたいか?」「国家公務員のキャリアでなにを重視するか?」という視点を持つほうが効果的です。
まとめ
- 全国家公務員の平均年収は、686.3万円(43.1歳)
- 職種別平均年収では医者の1399.4万円が最も高く、現行色の540.6万円が最も安い
- 公務員の職業を選ぶ際は、年収以外の基準を持つのも効果的
国家公務員の年収は、民間企業の平均水準以上あり、財源も豊富なため安定した生活を送ることができます。
職業選びの際に参考にしていただけると幸いです。
ここまでご覧いただきありがとうございました。