官僚が過労死したニュースをたまに聞くけど実際どうなんだろう?
こういった疑問にお答えします。
こう考えて公務員を目指す方は多いです。
特に近年は新型コロナウィルス感染症や世界経済の不況からいろんな業界で大量リストラや倒産の話もよく聞きます。
だからこそ安定した公務員を目指す方は多いですが、公務員の世界も決して安定で楽な職場ばかりではありません。
公務員には公務員ならではのブラックな部分がたくさんあります。
今回は公務員がブラックである理由をぼくの実体験をもとにご紹介します。
本記事の内容
- 公務員がブラックな理由とは?
- 公務員を目指す受験生がブラックな職場を避ける選び方
公務員がブラックな理由とは
市役所公務員はホワイトな部分も多いですが、ブラックな部分も多く存在しています。
市役所公務員のブラックな部分を見てみましょう。
- サービス残業が多くてブラック
- パワハラが多くてブラック
公務員がブラックな理由①:ハードクレームに晒されまくる
公務員がもっともブラックだと思う面はハードクレームを受ける点です。
公務員は国民全体の奉仕者であり、誰一人として切り捨てることができないからです。
それゆえ、どんなにありえないクレームでも正面から受けなくてはいけません。
お前らは土日も市民のために休みなく働け!
お前らは誰のおかげで飯が食えると思ってるんだ
こんなクレームは民間企業であれば
部外者には関係ないでしょ。
と一蹴できます。
しかし、公務員は公僕である以上言い返すことはできません。
どう考えても明らかな言いがかりだと思えるようなことだとしてもです。
と平身低頭でやり過ごさなくてはいけないのが公務員の辛いところです。
あまりのハードクレームに病んでしまう人も。。。
ハードクレームにさらされまくった結果、病気で休職してしまう人も少なからずいます。
ストレスで心を病んでしまうからです。
公務員なので病気休職を3年間まで取得できますが、中には病気が治らずそのまま退職する人も。
そういった場面に遭遇するたびに心が痛いです。
市役所のクレームの一例
市役所特有のブラックな傾向として、住民対応窓口での執拗なクレーマーが存在しています。
市役所は住民にとって身近な存在であるため、国や都道府県よりもクレーマーのトラブルは多いかもしれせん。
最も多いクレームは、法律で決められた事柄に納得してもらえないケースです。
という趣旨のクレームが最も多いです。
また市役所がクレームを受けるのは必ずしも、住民対応系の部署だけではありません。
クレームを起こした職員を採用した人事が悪い !
とクレームを人事に付ける人もいました。
と不思議に思って話を聞いてみると、その人の言い分は
というものでした。
態度がわるいことは申し訳ないと思いますが、人事課にそこまでの権限がありません。
お客様にはご納得いただいてお帰りいただきましたが、3時間を対応に割きました。
お客様との対応で緊張とストレスで疲弊している中で、処理できなかった事務処理を終えるため、結局その日の帰宅時間は23時頃となりました。
公務員がブラックな理由②:職務経歴に一貫性のない人事異動
次に公務員がブラックだと感じるのが人事異動に一貫性がないことです。
公務員の異動は本人の適性やキャリアを意識した異動がほとんど行われないからです。
- 福祉課⇨建築課
- 市民課⇨環境課
- 土木課⇨人事課
例えば、昨日まで生活保護課でケースワーカーをしていた人が、次の日から土木課で道路整備の予算取りを行ったりします。
(公務員の異動は、「転職と同じ」といわれる所以ですね。)
3年かけてやっと積み上げてきた仕事の知識が、またゼロからリセットされてしまいます。
それも1回だけはなくて3〜5年には1回起こります。
これには誰しもが無力感ややるせなさを感じるところです。
一貫性のない人事異動の問題点
- 専門性が身につかないので転職市場での評価が低くなりがち
- たとえ年配の職員でも異動すれば新人同然で扱われるのでストレスが多い
- 公務員の仕事そのものにやりがいを見出しにくくなる
公務員の人事異動には業者との癒着を防いだり、幅広い職務知識を持ったジェネラリストを育てるという狙いはあります。
しかし、そのためにかなり多くの公務員が苦しんでいるのは事実ですね。
万が一リストラに合ったときもリスクになる
経験を積めずに歳をとっていくというのもある意味ブラックかもしれません。
忙しい部署にいる人はいろいろな経験をしている中で、毎日ひたすらぼーっとしていると能力が育たなくなります。
今の20代・30代の世代の公務員は 必ずしも終身雇用が保証されなくなってきます。
そうなったとき、リストラの対象になるのは能力の低い職員からです。
40代・50代になって再就職が難しくなったときにリストラされる可能性があるため、経験が積めない部署にいることも潜在的にはブラックです。
公務員がブラックな理由③:サービス残業が多い
日常業務が終わらないとサービス残業をするはめになります。
特に官房系の部署ではサービス残業が多いです。
例えば、ぼくが働いている市役所の人事課ではサービス残業が横行しており勤怠管理もしっかりしていません。
年度末の繁忙期には実働が150時間くらいの月もありましたし、20連勤くらいしていましたし、24時位までの残業が毎日でした。
ということもありました。
公務員がブラックな理由④:パワハラが横行しているケースも
私の職場では、部長からのパワハラによって自殺した課長がいます。
パワハラで自殺事件まで起こすような人が部長になるのも驚きですが、上に優しく下に厳しい人ほど出世する傾向が強いのも実情です。
また、上司を選ぶことができないのも市役所のブラックな一面です。
人事異動によって職場の配置が変わらない限り、パワハラをする上司の元で働かなくてはいけないリスクがあります。
公務員がブラックな理由⑤:職場環境が悪くてブラック
市役所は職場環境もあまり良くありません。
住民が来庁していない時間帯はエアコンを一切使用できません。
そのため、2月3月頃は雪が降りしきる中、かじかむ手をハーハー足ながらウルトラライトダウンジャケットをきて仕事をしていました。(実話)
暇すぎてブラックということもある
暇すぎてブラック
市役所の仕事は暇すぎてブラックということもあります。
特に出先機関は暇なことが多いです。
暇だからといって、パソコンで遊ぶこともできません。
結果として、時間がすぎるのをただただ耐えることになり、ある意味ブラックです。
ブラックな働き方を避けるためには?
親公務員派の首長がいる職場がおすすめ
親公務員派の市長を選ぶことで労働環境が大きく変わります。
私の市役所では「反公務員派」⇛「親公務員派」の市長に変わることで労働環境が大きく改善されました。
基本的にブラックさは部署によるが、配属希望は通らないことが多い
ブラックな部署に当たるかどうかというのは、配属された部署によって大きく異なります。
公務員の場合、異動希望が通らないことが多いです。
万が一、ブラック部署に配属されてしまった場合、基本的には次の異動が行われる3年後を待つ歯科ありません。
ただし、公務員の場合、「病気休職」などで職場を離れるという手段を取ることが可能です。
復帰した際に、負担の軽い部署へ異動できるか、もしくは割り振られる仕事の負担が少なくなる可能性が高いです。
もっと詳しく公務員のブラックを知りたい人におすすめの本
公務員のブラックな実態について元公務員の著者が赤裸々に語っています。
(著者は「役人廃業.com」というサイトを運営している人で、脱公務員を推し進めている人でもあります。
また違った視点から公務員という仕事を考え直すことができますよ。)
【まとめ】最も大切なことは自分のキャリアの軸を見つけること
職場がブラックかどうかというのはその人の主観がとても大きいです。
忙しくて労働環境の悪い職場にいたとしても、自分ががやりたい仕事をできていれば満足感は高いです。
官房系の部署はブラックなことが多いですが、出世しやすい部署です。出世したい人なら多少ブラックでもやりがいを感じられるでしょう。
大切なことは、「自分がどんなキャリアプランを描きたいか」という軸をはっきりさせることです。
かならずしも、「家族のために一生懸命働いて、出世するために官房系の忙しい部署を渡り歩く」という必要はありません。
「ひたすら暇な部署に異動し、定時退庁を徹底し、プライベートを充実させる」というキャリアプランでも構わないと思います。
むしろ公務員を目指す方はこのような考え方の人が主流だと思います。
大切なのは自分がどんなキャリアプランを描きたいかを明確化して、そのとおりに働いていくことです。