この記事を読んでほしい人
- 現在公務員の方
- これから公務員を目指す方
- 選挙の開票作業の裏側を知りたい人
この記事を読むことで得られる知識
- 開票作業の裏側
- 選挙の開票作業で得られる給料
- 選挙の開票事務の概要
選挙開票事務
選挙の開票作業は基本的に市役所の職員がすべてを行います。
選挙の投票は20時に終了します。
選挙が終わると、投票用紙が入った投票箱を、開票作業場所である市の体育館へ運びます。
このときなんとタクシーをチャーターして即座に開票作業所へ移ります。
選挙にはタクシーをチャーターできるくらい潤沢な予算がつけられています。
開票作業自体は21時から開始します。
選挙投票事務に従事した人はこの時点ですでに4万円以上稼いでいますが、開票事務ではいくらぐらい稼げるのでしょうか。
たった6時間の開票事務で24000円が手に入る!
開票作業は、従事した時間によって支払われる給料が大きくなります。
選挙の開票作業は終了した時間に応じて給料が支払われます。
選挙の投票は7時から20時までと時間がきめられていますが、開票作業は「開票作業が終わり、管理者がOKを出すまで帰れない仕事です。」
今回私は開票作業に午後9時から午前3時まで約6時間従事しましたが、これによって24,000円を得ることができました。
時給換算すれば、4000円です。
若手の職員にとってはかなりの大金ですが、具体的にどんな仕事があるのか以下に見ていきたいと思います。
仕事の概要と終了時間・給料早見表
- 一番簡単開票一番早く仕事が終わる係。たいてい遅くとも22時30分くらいには帰れる。
- そこそこ簡単結束・内容判定開票が済んで、結束し機械に流す票がなくなった時点で帰宅可能。
- まあまあ測定疑問票審査が「この票は確実に有効!」と判断した票を数え終わった時点で帰宅可能。終了はだいたい午前1時頃
- 〜〜〜いつ帰れるかわからない壁〜〜〜〜〜〜問票審査・効力判定手書きでかいた票を吟味し終わり、「開票管理者」からOKが出たら業務終了。だいたい順調に行って午前3時終了
- つらい特殊処理班すべての業務の後片付けまで行う。順調に行って午前4時位に終了。
- 鬼(裏ボス枠)すべての業務の後片付けまで行う。特殊処理版が仕事を終わった後も、体育館の完全撤収作業のため翌日も通常通り勤務する。勤務時間は鬼
開票作業の流れ
メインの流れ
記載内容に問題がない表はこの流れで処理される
開票
その名の通り、「2つ折りにされている票を開く仕事」です。
投票所から集められてきた投票箱を開けて、票をすべて開き、表向きで同じ方向に重ねます。
同じ向きに揃えた束はいちごパックのような入れ物に入れて、「結束係」に引き渡されます。
結束
「開票係」から渡された票をきれいに整頓して束ねます。束ねた票を「内容判定係」
に引き渡します。
内容判定
「結束係」が束ねた票を機械で読み取り、「どの政党・候補者」に投票したのかを分別します。分別した束を「枚数測定係」へ引き継ぎます。また、機械で読み取り不能だった票を「疑問票判定係」へ引き継ぎます。
読み取りに使うマシーンは非常に高価
票の読み取り分類マシーンが超高性能1000万円超する超高性能OCR読み取りマシーンで投票用紙を仕分けます。その速さは圧巻で、毎分500枚位の票を瞬時に分別します。
枚数測定
内容判定から受け取った票を測量機を計測しで枚数カウントする。
上記の「開票」「結束」「内容判定」くらいまでは、いっつも結構早くに帰れます。
9時開始で、だいたい遅くても24時くらいまでには帰れるので、給料はだいたい15000円位です。これだけでも結構割がいいので、ぶっちゃけこの係の方がコスパいいかもしれません。
「枚数測定」は「疑問票判定・効力判定」の進み具合によって終了が少し遅くなるので、だいたい1時ころの帰宅です。給料は2万円くらい。
以下3つの係は、ぶっちゃけ帰宅がかなり遅くなります。
文字が読み取れなかったり、実在しない候補者を書いていたり、落書きしているような怪しい票を1枚1枚手作業で分類します。
疑問票判定
機械で読み取れなかった票を1枚1枚手作業で選り分ける。明確に有効である票・どちらとも言えない票・完全に無効な票に振り分けます。「どちらとも言えない票」を「効力判定」に引き継ぎます。
効力判定
「疑問票審査係」から引き継いだ「なんとも言えない票」を有効にするか・無効にするかを1つ1つ吟味します。
特殊処理版
この係は上記のすべての仕事を臨機応変に担います。しかもプラスで後片付けをする。要するに究極の雑用。いちばん最後まで残る運命が確定している係です。
上記のすべての票の仕分けと計測作業が終わったら、「開票責任者」の面々に確認をしてもらって作業終了です。
だけど、この「疑問票判定」「効力判定」「特殊処理班」3つの係はいつ帰れるか全く保証がない係です。
その理由は「開票管理者」に「開票事務のやり直しを命令されるかもしれないからです」
開票作業運命の瞬間「投票管理者の最終確認」
どんな開票所にも「開票管理者」という人々が存在しています。
開票管理者は「公正・公平な選挙を行うために開票作業を管理する」という使命を負っています。
分類した票の束をすべて確認してもらって投票管理者と投票立会人の合計6名に確認をしてもらいに行きます。
ここで起こりうるのが「やり直し」です。
まさかの「やり直し」指示
私が従事した開票事務では、この分類した票にお誤りがあってOKが通らず、すべての票の集計作業の「やり直し」を開票管理者から指示されました。
時刻はすでに午前3時すぎ、皆疲労困憊の中、すべての票を1から確認し直し、集計作業をすべてやり直し再提出してやっとOKをもらいました。
終わったのは午前7時、、、
当時私は「特殊処理班」に従事していたので、すべての担当業務の中で帰宅できるのがいちばん最後でした。
体育館にある荷物を全て運び出して、市役所本庁舎の倉庫に来るまで搬入するという作業をしました。
空を見上げると太陽が登っていて結構明るかったです。明るくなった空を見上げながら、当時社会人1年目だった私は「これが仕事なのか〜」って感慨にふけった記憶があります。笑
時刻はすでに月曜日の朝7時を回っており、なんなら職場に早めに来る人は出勤してる時間帯でした。
その日、私は有給を取得していましたが、
同じ「特殊処理班」で仕事に従事していた同期は「まさかこんなに長引くと思ってなくて、有給入れてないんだよね〜w」っていって職場に向かっていきました。
その後、職場で仕事をした同期は、始業開始早々、「デスクで居眠りをしていたところを担当係長にみつかって「帰れ」といわれ、速攻帰宅したようです。そりゃそうなりますよね笑
あとから噂で聞いたのが、東京の何処かの役所は開票作業が終わったのが、翌朝11時とのことです。開票作業から従事してる人は36時間位ぶっ続けで働いていることになりますね。笑
それに比べたらまだマシだったのかもしれないです。
だけど一番きついのは「選挙管理委員会」の人
翌日出勤して体育館を片付けて次の日も普通に働いてます。
多分実働で48時間くらいしている人たち。
忙しすぎて残業代だけで月100万円稼いだこともあると噂で聞きました。笑
翌日は有給をとってゆっくり休みます。
流石に翌日は有給をとってぐっすり休みます。
たいてい選挙が行われるのは日曜なので、翌日は普通に仕事がある人もおりますが、基本的にはみんな有給で休むことが多いです。
まとめ
開票事務の概要とどのくらい稼げるかという点をざっくりと書いてみました。
普段テレビとかで見かける開票速報の裏には激務をこなす公務員がいることも知っていてくれると幸いです。笑