どうしてサービス残業が多いんだろう?
公務員としてサービス残業の少ない働き方をするにはどうすればいいんだろう?
下すると民間企業よりひどい公務員のサービス残業
公務員を目指している方にとっては悲報かもしれませんが、ホワイトと言われることの多い公務員でもサービス残業はふつうに存在しています。
それは「仕事があるけど予算が足りない!」ということが原因です。
公務員のサービス残業の原因
- 残業代は「申請方式」
- 法令規則によって非効率が多発
- 公務員は年々減っているのに、仕事が年々増えている
公務員の残業代は「申請方式」
サービス残業の原因は、残業代が申請方式であることが原因です。
残業代が申請方式ということは、要するに申請が通らなければ残業代が出ないのです。
民間企業等では、タイムカードをきれば自動で残業代が加算されるような仕組みのところも多いです。
実際に、私も残業代を申請しないようにする圧力をかけられたことがあります。
この係長はすごく優しく「役所の常識」を教えてくれたのですが、こういうケースが手を変え品を変え役所では頻繁に行われています。
例えば、自分の係長が日頃から「いや〜、今年仕事の量が増えすぎて残業代なんて全然足りなくて困っちゃうよな〜。おれ今月残業代1円も付けられなさそうだし」なんて話してたら、やっぱり自分も残業代申請ってしにくなります。笑
こういった感じで役所の忙しい部署はサービス残業が常態化します。
ただし、普通は残業代が不足しないように毎年の予算をある程度見積もって付けておくものなので、毎年明らかに残業代が足りないっていうこともあんまり起こりません。
法令規則によって非効率が多発!
公務員たるもの、法令規則を遵守して仕事を行う必要がありますが、それも行き過ぎると害悪を及ぼします。
競争入札方式による非効率
役所は民間企業に業務委託するとき、一定価格を上回る契約には「競争入札方式」を採用しています。
競争入札とは、簡単にいうと「一番安い金額で仕事を発注できる業者に依頼しますよ〜」という制度です。
この制度は単純に『金額』だけを見て入札先を決めるので、いろんなムダや非効率が発生します。
例えば 、人事課のお仕事には、
職員の出退勤を管理するため『出勤簿管理システム』とその出勤簿のデータをもとに給与計算を行う『給与管理システム』というソフトが必要です。
こういった似たような業務を行う際は、基本的に同じ会社のシステム同士を使用したほうが便利ですよね。
例えば、iphoneでとった写真データをパソコンに保管するときも、icloud経由でmacにアップロードすれば一発で済みますよね
ところが、競争入札をすると、例えば、
出勤簿管理のシステム⇛F社
給料管理のシステム⇛N社
と2つのシステムを別々の会社が落札することがよくあります。
そうすると同じ会社のシステムならば、「出勤簿管理システム⇛人事給与管理システム」で済むような工程が、「出勤簿管理システム⇛データ加工⇛人事給与管理システム」
とひと手間増えてしまうことになります。
スマホでいえば、iphoneとandroidの相性がわるいのと似ています。笑
競争入札方式がサービス残業を助長している一つの原因としてあげられます。
エアコンが使えない室温0℃のなか残業!行き過ぎた「省エネ」で作業効率ダウン
省エネといえば聞こえはいいですが、それも度が過ぎればデメリットが増えてきます。
私の職場では、5時15分に閉庁したあとは一切エアコンを使用できません。
エアコンの無駄遣いをなくす「省エネ」の一環として行われている取り組みです。
そのため、夏は30度を超えるような真夏日でも、冬は氷点下を下回る寒さでも、残業中にエアコンは一切作動しません。
省エネはできているかもしれませんが、明らかに仕事の能率が落ちて逆に人件費が無駄にかかっています。笑
2月頃外が雪降っている中で残業していましたが、室温が0度を下回っていました。
外とほとんど変わらない室内でずっとキーボードを打っていると徐々に指先が冷たくなってきます。
そのうち手がかじかんでうまくキーボードが打てなくなります。
ユニクロのウルトラライトダウンジャケットをきながらかじかむ手をハーハーしながらパソコンをカタカタしていました。
結局、通常10分で終わる仕事が20分くらいかかるなんてことも普通にありました。
行き過ぎた省エネンもサービス残業を助長する一員だと感じました。
(ちなみに、職員はみんな赤外線ヒーターを持ってきて使ってます。係長も課長もそこらへんは「暗黙の了解」として黙認してくれてました。笑)
残業削減計画によって残業は22時まで(だけど仕事量は全く減らない)
近年、某大手広告代理店のサービス残業による従業員の過労死が社会問題となり、国が公務員へ残業時間の規制を打ち出しました。
具体的には、月の残業は45時間までというルールが付け加えられました。
もし自分が月45時間の残業時間を超えた場合、「自分の上司である課長が部長に怒られる」という罰則付きです。笑
残業規制が打ち出されたのはいいものの、やるべき仕事量は一切変わりません。
そうすると必然的に「残業はするけど残業代申請はしない」という風潮が職場内に一気に広がりました。
さらに追い打ちをかけるように「21時以降はパソコンのシステムを強制シャットダウンする」という施策も打ち出されました。
そうすると、今度はシステムが稼働している土日に出勤して仕事を片付けるハメになります。
休日出勤の申請は基本的に通らないため、結果的にサービス残業時間が増えてしまいました。
公務員は年々減っていくけど、仕事は年々増えている
総務省によると、地方公務員の数は年々減少しています。
一方、公務員の仕事は年々増加しており、住民サービスの向上ということでやるべきことは増えています。
具体的には、近年であれば、
「マイナンバーカード」の交付だったり、「ふるさと納税」が創設されたり、「アウトリーチ政策」(家から出られない人たちの自宅を訪れる訪問支援)が活発化してきたりと、
公務員に求められる業務は続々と増えてきつつあります。
また、人口減少に伴って財源が減っていくため、予算として付けられる残業代も減少していくことでしょう。
サービス残業の対策方法
ここまで、公務員のサービス残業について散々脅すようなことを書いてきましたが、とはいっても公務員の仕事は全体的にホワイトな部類に入ると思います。
特に住民対応系の部署では、職員がおこなうような窓口接客業務をアルバイトの方などに行っているケースもあります。
また、事務処理も内容は単純で簡単なものが多いです。
要するに、少しだけ業務を経験したアルバイトでもできる仕事が多いということです。
国家公務員より市役所公務員がおすすめ!規模の小さい組織で公務員になるべき
国や都道府県のほうが忙しい傾向が強いです。終電以降まで働くことも多いです。
市役所は基本的にはどんなに遅くとも終電で帰れるくらいの残業時間です。
「親公務員派の市長」がいる組織で働く
公務員にとって追い風となる政策を行ってくれます。中には、公務員たたきで票を得ている市長もおり、そういった「反公務員派」の市長のいる組織で働くと、つらい状況になります。
「官房系の部署」を希望しない
官房系の部署とは、具体的には人事課・企画課・予算課です。
これらの部署はサービス残業が横行しています。
部署による残業時間の違いだけでなく、公務員独特の残業の原因があります。
まとめ
公務員はサービス残業はありますが、特殊な部署を除いてほとんど無いに等しい状況です。
これから公務員になる人はここに書いてあることを守ればサービス残業に合う確率は低くなると思います。