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人事制度

働き方改革のメリットとデメリットとは?公務員の現場からリアルに解説

働き方改革で近年労働環境が大幅に変わってきています。

ですが、私の職場ある都内の某市役所では働き方改革がうまくいっていることばかりではありません。

そこで今回は、現職公務員のススム(@jinji_komuin )の周囲で起きている働き方改革のリアルについてメリット・デメリットを交えてご紹介します。

働き方改革とは?

働き方改革の目的

働き方改革の目的は

  • 労働環境を整備する(過労死の削減や出生率の向上など)
  • 日本経済の国際競争力の向上

を目的としています。

労働条件の改善として具体的に次の法令が挙げられます。

  1. 労働時間に関する制度の見直し(労働基準法、労働安全衛生法)
  2. 勤務間インターバル制度の普及促進等(労働時間等設定改善法)
  3. 産業医・産業保健機能の強化(労働安全衛生法等)

労働時間の見直し

働き方改革では、残業時間の上限について

「月45時間、年360時間を原則」としつつも、例外規定として

「特別な事情がある場合は年720時間、単月100時間未満もしくは、年6ヶ月までなら月80時間の残業を認めています。」

実はこの例外規定が結構くせもので、かなり労働時間は長いと思います。

私の公務員1年目で年間720時間くらい働きましたが、年間720時間って結構しんどいです。

このくらいの残業時間になると平日の帰宅は21時〜22時くらいになるのが普通で、たまに休日出金もあるので、少なくとも仕事中心の生活になってしまって、ワーク・ライフ・バランスはあんまり望めません。

働き方改革によって生じたメリットデメリットを公務員の視点から紹介します

働き方改革のメリット

だらだら残業することが少なくなった

無駄な残業が減ったのがメリットです。

公務員の中には、あえてダラダラ残業することで残業代でお小遣い稼ぎをする人も存在します。

残業時間が規制されたことによって、ある程度そういった人たちの無駄な残業が少なくなったと思います。

また、真面目に働いている人でも、時間内に仕事を終わらせようという風潮は強まったので、この点は働き方改革のメリットだと言えます。

有給が非常に取りやすくなった

有給取得日数が前よりも明らかに伸びています。

私の市役所では、有給取得日数を年10日以上取得することを目標としており、年間で10日以上有給を取得する人はザラにいます。

また、年間20日付与される有給をすべて使用する人もかなり多いです。

おそらく民間企業だとここまで多くの有給を取得できる人はそこまで多くないだろうと思います。

働き方改革の浸透によって、民間企業の人も有給取得日数は徐々に増えていくと思いま

フレックス勤務制度が実現した

公務員の職場でもフレックス勤務が開始されました。

通常8時30分〜17時15分の7時間45分が勤務時間ですが、始業時間と就業時間をある程度の範囲で変更できるようになりました。

私の市役所では、次の5つの勤務体系から労働時間を選択できるようになりました。

  • 7時30分〜16時15分
  • 8時〜16時45分
  • 8時30分〜17時15分(通常の勤務時間)
  • 9時〜17時45分
  • 9時30分〜18時45分

子育てや介護をしている人にとってより働きやすい環境になってきています。

窓口職場はフレックス勤務は難しい 窓口職場の場合、役所の開庁時間である8時30分〜17時15分の間に、窓口接客に従事する公務員が一定人数は必要です。 私も税務課に所属してましたが、よほどの事情がない限りフレックス勤務を使用しにくい雰囲気が常にありました。

働き方改革のデメリット

【悲報】サービス残業が増加した

なんとサービス残業が増加しました。

公務員の残業は申請方式ですので、残業しても申請しなければ実績としてカウントされません。

そのため、「月45時間を超える残業は自然と申請しないのが当たり前!」みたいな雰囲気になりました。

残業時間を申請しようとすると、係長に「これ以上残業申請しないで」と注意されることもありました。

これは「残業時間の削減」という目的は明確に決まっているけれど、「仕事内容をどう削減するか?」という部分は明確に決まらないまま、目的だけが先行しているのが原因です。

結果的に、労働者にとっては上司の目を気にしながら、サービス残業をしなくてはいけない、という2重苦の状態が発生してしまいました。

休日出勤が増加

休日出勤が増加しました。

最近、大阪府でシステムの強制シャットダウンというニュースが話題になりました。

実は私の市役所でもこれと同じような施策が実施されました。

具体的には、平日21時には庁舎内のネットワークが完全に遮断されるというものです。

ですが、ネットワークが遮断されてもやるべき仕事はおわていません、、、

そうすると、仕事をこなすために休日出勤する人が急増しました。(休日に業務を行う職場のために、休日の日中は庁舎内ネットワークが稼働していました。)

きっと大阪府でも私の職場と似たような減少が起こるんじゃないかな〜、と想定しています。

持ち帰り残業が増えた

持ち帰り残業が増えました。

働き方改革によって堂々と残業ができなくなったため、こっそりと仕事をこなす必要が出てきたからです。

通常の民間企業ならともかく、公務員の仕事は基本的に個人情報を取り扱うことが多く、仕事の持ち帰りは情報漏えいにつながるため厳禁です。

そのため、個人情報を含む仕事は極力職場で終わらせて、個人情報を含まない仕事を自宅でこなす、というおかしなノウハウも生まれました。

働き方改革で損しない方法

仕事の内容を見直す

仕事の内容について見直してある程度やり方を変えてみましょう

特に、公務員の職場では、担当者レベルがおこなている仕事の細部を係長クラスが把握していることは非常に少ないです。

そのため、自分からやり方を工夫しないと仕事のやり方はいつまでたっても仕事量は変わりません

不要な仕事や費用対効果の薄い仕事を自分から主体的に見つけて、上司に提案することで無駄な残業時間を減らすことができます。

残業する月をばらつかせる

働き方改革では、月平均45時間までの残業が認められているので、暇な月に仕事を片付けると効果的です。

ある程度残業が予測される月に備えて、事前に出来る仕事をこなしておいたり、残業の少ない月に仕事を先送りするなどの工夫が効果的です。

早朝・休日に出勤して仕事を行う

一般的にどの職場でも夜の残業の規制は厳しいですが、早朝出勤することに関してはきびしい規制がされていないことが多いです。

私の職場では、夜の21時にパソコンのネットワークがオフになりますが、朝は5時から接続されていました

そのため、夜のうちに終わらない仕事は極力朝に終えることが多かったです。

しかも、朝は周囲がまだ出勤していないため一人で黙々と集中でき、効率的に業務を終えることができました。

残業の少ない部署へ異動希望を出す

どうしても働き方改革の残業規制について行けない人は、残業の少ない部署へ異動希望を出すのも一つの手です。

残業の少ない部署であれば、そもそも働き方改革とは無縁になります。

公務員の異動は通常3年に1回程度なので、ある程度辛抱が必要かもしれませんが強く希望すれば異動できるケースもあります。

少なくとも、異動希望の意向調査で「残業の多い激務部署」を選ぶことは避けましょう。

まとめ

公務員の働き方改革にはまだ多くの課題があります。

特に、サービス残業が前より増えていることが大きな問題で、現状は周囲の職員にきいてみても正直あまり評判のいい政策ととらえられていません。

ですが、徐々にサービス残業への対策も進んでおり、労働環境は良くなっているので後数年もすればより公務員にとって働きやすい環境になっていると思います

ご覧頂きありがとうございました。

ABOUT ME
susumu
某市役所を首席(1位)で複数合格しました。 公務員を目指している受験生や公務員への転職を考えている人に向けて、公務員の採用現場の裏側や人事制度・仕事などを紹介します。 また、現役公務員に役立つライフハックを書いていきます。

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