こういった疑問にお答えします。
予備校生・独学をどちらも経験した私が解説します。
私は予備校通いと独学をどちらも経験した珍しい受験生です。
予備校生⇛海外放浪⇛独学⇛公務員というステップを踏みました。
私は、もともと公務員になろうかなとなんとなく思って、TACの公務員講座を受講していました。
ですが、社会人を始める前にどうしても一度海外を見ておきたいと思って、急遽1年間休学して海外バックパッカーをやっていました。
そして帰国後にやっぱり公務員になろうと思いなおし、独学で公務員となりました。
予備校の講義をある程度受けていましたが、受験する歳ははTACの受講期限も切れてしまっており、ほとんど独学に近い状態でした。
完全独学というわけではありませんが、ある程度参考になる点もあると思います。
正直、独学は予備校通いと比べてデメリットばかり
私の経験では、独学はメリットよりも遥かにデメリットが大きいと感じました。
私が感じたメリット・デメリットについて以下に紹介します。
独学のメリット
金銭的な負担が少なくて済む
独学は金銭的な負担が少なくて済みます。
勉強に必要な教材を数万円分購入するだけで公務員試験対策が可能だからです。
一方で、公務員試験予備校に通えば最低でも30万円以上はかかってしまいます。
ただ、個人的には公務員予備校は有効に活用すれば30万円分以上の価値があると思います。
ですが、数十万円単位の多額のお金を使用しなくて済むというのは大きなメリットだと思います。
うまくいけば一月分程度のバイト代で公務員試験対策を行うことができます。
自分のペースで勉強できる
独学は周囲に左右されず自分のペースで勉強に集中できます。
周囲の環境から一切遮断できるため、悪い影響を受けずに済むからです。
私が首席合格を果たせたのも、独学によって受験に対して楽観的に考えすぎず、常に最悪の事態を想定して、自分のペースで試験対策をできたからだといっても過言ではありません。
予備校に行って周囲の人と交流するようになると、
「俺こんなに点数よかったぜ〜」
といわれて
「俺こんなに点数悪いのどうしよう?」
と悩んだり、
周囲が遊び呆けているのを見て、
「何となくみんなまだ勉強してないから俺もしなくていいや」
と流されることが少なくなります。
ただし、自分のペースを保てるということは裏を返せば独学はだらけがちな人にとってはデメリットになるため注意が必要です。
独学のデメリット
勉強方法の指針を自分で立てる必要がある
独学の場合、自分で勉強の指針を1から10までたてる必要があります。
予備校生であれば、プロである予備校の講師陣が受験本番に間に合うように計画的にカリキュラムを設定しています。
一方で、独学の人は「日々の勉強をこなす」という合格に必要な知識をみにつけるタスクと、「勉強計画と修正」というマネジメント的タスクをどちらも毎日こなしていく必要があります。
自分が「予備校の講師」としての役割をしなくてはいけません。
指針づくりのためには、ネットで合格体験記を調べたり、本で勉強の指針を立てるのは必須となります。
あらゆる情報が入りにくい
独学は情報が入りにくいです。
同じ公務員試験を目指している仲間がいないため、あらゆる点で情報格差が存在します。
例えば、予備校講師から効率的な勉強方法を教えてもらう機会を逸しますし、受験仲間から受験勉強対策のための秘訣を教えてもらう機会も失います。
一方で、予備校は本人が受動的な状態でもさまざまな情報が入ってきます。
あるいていてふと見かけた予備校の「試験直前時事問題対策セミナー」という掲示物から有用な対策セミナーの情報を得られたり、
休憩室で隣の人が「〇〇市の面接でこういうこときかれてさ〜」という噂話から面接で質問される内容の情報を得られたりします。
さらに、周囲の雰囲気から非言語的な情報を得ることもできます。
例えば、周囲が予備校に通う時間が増えてきたら「そろそろみんな本気出してきたな〜」とか色々わかるわけです。
そういう情報を一切得られません。
これは独学にとって大きなデメリットだと思います。
モチベーションを保ちにくい
独学はモチベーションを保ちにくいです。
身近に公務員試験勉強をする人がいないために、刺激を受けることがないからです。
また、悩みを共有できる人もいないとストレスも溜まりやすくなります。
そのため、勉強する習慣が身につかずにだらけてしまったり、反対に、自分を追い込みすぎてストレスで心が折れることもあります。
私の場合、受験日半年前くらいは勉強に身が入らずにだらけてしまう一方で、直前期は自分を追い込みすぎて体調を崩しがちでした。
根性論だけではどうしようもない部分もあるため、モチベーションを保つためには自分なりの対策法を身につける必要があります。
プライベートでつながりが持てない
独学生はプライベートの充実度は圧倒的に劣るとも言えます。
仲間と一緒に勉強して苦楽をともにし、悩みを相談し、合格の喜びを分かち合える予備校生は、プライベートが充実する傾向にあります。
しかも予備校でのつながりは就職してからも継続することが多いです。
独学生はそういったつながりをもつことができない点もデメリットとしてあげられます。
私も、ほぼ独学と同じ環境だったので、プライベートで公務員受験生と遊ぶようなこともほとんどありませんでしたし、就職後も予備校生とのつながりを持っておらず、少し寂しく感じることもありました。
実際に、私の内定先にはすでに予備校生同士のグループができてたりするケースも多く見ています。
あと、予備校つながりで就職後に合コンとかよくやっているのを見て羨ましいなおも思いました。
(ただし、これはそもそも合格があってこその繋がりですし、第一目標は公務員試験に合格することですから、そこまで重大なデメリットとおいうわけでもないですね。)
独学受験生の受験対策
筆記試験対策には予備校の教材を使用するのがベスト
予備校の教材は非常に良い内容が詰まっているので、受験勉強にメインで使用することをオススメします。
市販の書籍より室の良いものが多いです。
個人的には、筆記試験対策の教材はTACが最も解説が丁寧にまとめており、おすすめだと感じました。
ですが、基本的にTACの筆記試験対策の教材は、30万円以上するコースを受講しないと手に入りません。
そのため、可能であれば友人から教材を譲ってもらったり、通販サイトなどで購入するのも一つの手だと思います。
そうでない場合はLECのクイックマスターを使用するのが次点で良い選択肢だと思います。
面接対策は予備校の単科を利用したほうがいい
面接対策は自分で気づけるのに限界があります。
もしの最も難しい点は、「正解がきまっていないため自己採点が難しい」ということです。
筆記試験のように自分で気づいて修正するという行為の難易度が非常に高いのです。
正解が決まってないので自分の行っていることがそもそも間違いか正解かわかりにくいです。
しかも、面接対策に模試が存在しないので、自分の面接の出来を周囲と比較して客観的に省みる機会が少なくなりがちです。
そのため、対策をするためには専門知識を持った第三者に見てもらう機会が必須となります。
TACなどは30万円以上する公務員試験講座をパッケージで購入しないと面接対策を受けられません。
そのため、おすすめはLECの面接対策講座です。
LECは単価講座を多く開催しており、TACのように多額の費用をかける必要がありません。
筆記試験と比べて使える教材が少ない面接対策にうってつけの予備校だと感じました。
独学受験生の心構え
ルーティーンを大切にすること
自分のリズムを大切にしましょう。
独学は勉強のスケジュールをすべて自分で管理する必要がありますが、毎日決められたルーティーンをこなすことでスケジュール管理コストを削減できます。
仮に、毎日ルーティーン化されていない状態だと、
といちいち考える必要が出てきます。
一方で、ルーティーン化されていれば、
と考えるコストを削減できます。
最低でも、次の3つは決めましょう
- 勉強する決まった場所
- 勉強場所へ朝到着する大体の時間
- 勉強場所から帰る大体の時間
私の場合、
- STEP1起床朝7時に起きる
- STEP2昼12:00~13:00に昼休憩をとる
- STEP3帰宅19:00に予備校を出て20:00に帰宅
- STEP4就寝22:00に就寝する
というルーティーンを繰り返していました。
週に1日は休養日を作る
週に1日は最低休むように心がけていました。
平日は7時8時頃から自習室に通って19時くらいまで勉強をする週間を付けていましたが、
日曜日だけはかならず家でダラダラする日を作りました
途中で息切れをしないためです。
独学は自分を追い込みすぎてかえってペースを乱す危険もあります。
1日休みを作るだけで、精神的な疲労度がかなり異なります。
1日の中にささいな楽しみを1つ作る
1日の中に1つの楽しみを作ることで辛い勉強を耐え抜くモチベーションとすることができます。
勉強のストレスばかりだと、継続するのが辛くなって心が折れてしまうからです。
例えば、私の場合は夜のリラックスの時間を1つの楽しみとしていました。
非常に些細なことですが、
勉強を終えて20時頃に家に帰り、ウィンナーを食べながら炭酸ジュースを飲みつつ、録画した深夜アニメを1話みる
という楽しみを習慣としていました。
勉強で悩んでいるときも、
と思えば苦労にも耐えられました。
ただし、あまり多くの楽しみを作りすぎるとだらけてしまって勉強時間が減ってしまいますし、楽しみの時間のありがたみも減ってしまいます。
そのため、「1日に一つだけ」と制限を決めたほうがいいです。
孤独に寄り添う〜孤独を我慢しすぎないこと〜
孤独に立ち向かう必要もありますが、孤独を受け入れて我慢しすぎないことも大切です。
私は一人暮らしをしていたので、独学をすると1日誰にも会いません。
正直言って孤独感でいっぱいでしたが、ここで我慢しすぎると心が折れてしまいます。
多くの人が「孤独に打ち勝つ!」とか「孤独に耐えて勉強とか「孤独に立ち向かう!」ということを選択しますが、メンタルに非常に良くないのでオススメしません。
心はいわば「輪ゴム」です。
ある程度耐えることができますが、張り詰めすぎると切れてしまいます。
ときには緊張をほぐして誰かと会って孤独を和らげる時間を作りましょう
毎週、土曜日の晩御飯と日曜日の夜には友だちと会って「人と話す習慣」を付けました。
Study plueで勉強時間を記録する
独学をしている間は、まるで暗い闇の中をさまよっているような気持ちになります。
自分が周囲と比べて自分の学習が進んでいるのか遅れているのかさえあまりわかりません。
ただがむしゃらに勉強すると心が折れていまいます。
積み重ねてきた道標として勉強時間の記録をすることで自信に繋がります。
勉強時間の記録によってどの勉強が不足しているか、偏っているか、客観的に測る道具にもなります
Twitterアカウントを作成する
ツイッターアカウントを作ると心の支えができて楽しかったです。
独学にとっては非常に強い心の支えでした。
つぶやきを見るだけで誰かと話してるような気にも慣れましたし、情報も入ってきます。
公務員Twitterアカウントを作っている予備校生も多いため、そういう人たちのつぶやきから予備校生の動向の情報を得ることができます
基本スタンスは「自分で考えて主体的に行動すること」
とにかく自分で考えて自主的にアクションを起こすということ最も七曜とされます。
自分で「〇〇がいい勉強方法じゃないか?」と思ったら試してみたり、良いセミナーを探して受講してみたりする主体性が無いと予備校の効率的なノウハウが詰まったカリキュラムを受講している予備校生には太刀打ちできません。
まとめ
結局は「どれだけ勉強したか」という努力がものを言う
予備校に通おうが独学をしようが結局最終的に「いかに勉強をしたか?」という点が合否を分けると実感します。
極端な話、たとえ予備校に通っていても100時間しか勉強しなかった受験性より、独学でも1500時間勉強した受験生では、合否の差は火を見るより明らかです。
予備校通いか、独学かというのは、あくまで「効率性」という観点で予備生に分があるだけです。
大切なことは、シンプルに「いかに勉強をしたか?」という一言に集約されています
いかに粘り強さを持って公務員試験対策に向き合って、日々積み重ねををしてきたかという点には比べれば、予備校か独学かというのは大きな差はないかもしれません。
独学の人は「いかに勉強をしたか?」という点を常に心がけて生活することが合格へのつながる鍵だと、私は受験勉強を通じて実感しました。
私の場合、完全独学というわけではないので、全てがあてはまるかどうかわかりませんが、独学を考えている・現在独学をしている人の参考になれば幸いです。
ご覧頂きありがとうございました。