天皇が住む皇居、官僚が勤める霞ヶ関、財閥系大企業がうごめく丸の内を抱える23区屈指の都心区です。
国の中枢機関が多く存在している区です。
また、千代田区は23区の中で最も歴史的に深みのある区です。
現在の東京都23区の原型が作られた時に一番最初に設立されたのもこの千代田区です。
例えば、初めて駅が作られた区だったり歴史的にもかなり深みのある区です。
いわゆる「ハイソ区」などとも呼ばれており、住民の質も非常に高いという特徴があります。
実際に、千代田区の平均年収は東京港区に次いで23区内で第2位です。
千代田区の採用実績
千代田区は23区内で最も職員採用数の少ない区です。
2019年度 | 2018年度 | 2017年度 | |
事務 | 33 | 27 | 33 |
福祉 | 13 | 7 | 13 |
技術 | 6 | 0 | 8 |
医療 | 1 | 1 | 2 |
技能 | 2 | 2 | 4 |
業務 | 0 | 0 | 0 |
教育 | 3 | 5 | 8 |
合計 | 58 | 42 | 68 |
ある意味で選ばれしものしか入区できないある意味でエリート区ともいえるような区です。
最も採用数の多い世田谷区のおよそ4分の1程度の採用実績です。
千代田区のメリット
千代田区役所のメリットは次のとおりです。
- 財政安定度トップクラス!
- 実は格安で使える職員住宅が豊富!
財政が安定している
千代田区は財政が安定しています。
自主財源比率は23区内でもトップクラスです。
歳入合計 | 自主財源 | 自主財源比率 | |
2017年度 | 602.6億円 | 361.7億円 | 60.0% |
2016年度 | 662.5億円 | 395.5億円 | 59.7% |
2015年度 | 621.1億円 | 347.0億円 | 55.9% |
財政の安定度なんて、普通の公務員受験生からしてみれば
「へえ〜、そうなんだ〜」程度くらいにしか思えないと思いますが、
今後日本国内の税収が減少することは確定しているので、
将来的に財政状況の安定度がそこで働く公務員の人生を左右することもあり得るのです。
実際に、財政状況の悪い夕張市で働いていた公務員は、事実上のリストラにあってしまい、人生に大きな影響を与えました。
せっかく、一生懸命勉強して公務員になるのなら40年後も安定して働ける千代田区は非常におすすめです。
住民の質がいい
千代田区は、昼間人口が多く、夜間人口が少ない街です
実際に住民の年収は港区についで、国内第2位を記録しています。
そのため、職員数も少なめです。
実は格安で使える職員住宅が豊富!
実は千代田区は格安ですめる職員寮が非常に豊富な自治体です!
公務員説明会などで、説明されることは基本的にありませんが、千代田区の職員寮の数は23区の中でもかなり多い方です。
千代田区の職員寮の数
- 直営住宅:55戸
- 借上住宅:32戸
千代田区は面積できにはさほど大きな区ではなく、職員数が23区イチ少ないですが、その割に職員寮の数が豊富です。
つまり、職員寮に住めるチャンスが他の区に比べて圧倒的に高いということを意味します。
千代田区の賃貸価格の平均は約11万円
千代田区は、東京の都心に存在しており、賃貸価格が非常に高いことで有名です。
実際に、市ヶ谷・九段下・飯田橋などの千代田区内で賃貸物件を借りて一人暮らししようとすると10万円を超えるのは確実です。
23区公務員の新卒初任給は住居手当込みでも手取りで18万円程度であるため、特別区公務員が千代田区に一人暮らしするのは基本的には不可能です。
そのため、千代田区という恵まれた立地に格安ですめる職員寮は千代田区職員の大きなメリットと言えます。
千代田区の職員寮の概要
千代田区の職員量は、単身世帯用の住宅であれば6年間、2人暮らし以上の部屋であれば最大9年間借りることができます。
- 1人暮らし用:最大6年間
- 2人以上世帯用:最大9年間
職員住宅の金額
千代田区の職員住宅は、破格の値段で借りることができます。
千代田区の職員寮は、毎年の年収額に応じて使用料が決定される仕組みです。
例えば、特別区職員1年目の標準的な年収380万円の場合、毎月1.1万円程度で職員住宅を借りれます。
年収 | 住居使用料 |
年収380万円 | 10978円 |
年収500万円 | 14868円 |
年収700万円 | 21527円 |
月額1万円で千代田区に住めるのは、普通だったらあり得ないくら良い条件です。
職員寮の管理人を勤めると、この月額料金はさらに減額されます。
ただし、職員寮に住む人は、台風や地震などの災害時に緊急出動する義務があります。
この点が財政力が豊かな千代田区の隠れたうまみでもあります。
都心のこんなにいいところに住めれば、買い物や友達と遊ぶ時も非常に便利です。
千代田区のデメリット
デメリットらしいデメリットはほとんどないと思いますが、私が感じたデメリットをご紹介します。
- 「ハイソ区」っていっても住民は千差万別!
- 区役所に通うのが大変
- 採用数・職員数が少ない
順番に解説しますね。
「ハイソ区」っていっても住民は千差万別!
千代田区は「ハイソ区」とはいえ、住民の質は千差万別です。
よく千代田区は
「住民の質がいい!」「ハイソ区だから面倒くさい住民がいない!」
こういった傾向はあるかもしれませんが、それ以上にイメージが先行しすぎてるようにも思います。
実際に、私が都内の自治体を受験を考えていたときに千代田区役所に職場見学に行ったこともあります。
私が千代田区役所を訪れたときにちょうど、
窓口で千代田区の住民らしき方は職員が大声で話し合っていてめちゃくちゃ揉めいたのが印象に残っています。
そのとき、私は暇だったので、ずっと近くの椅子に座って様子を観察していたのですが、1時間経っても終わる気配がないのでさすがに帰りました。
(いま思い返すと、何もせずに区役所の椅子に1時間も座ってる私も不審者ですね。。。)
当時は、千代田区は住民の質がいいという話をよく聞きましたが、
と正直思いました。
あの人が千代田区民だったのか真偽は分かりませんが、その後、私が都内の市役所に就職して感じることは、
「住民の質は千差万別だし、めちゃくちゃなクレームをつける住民はどこにでもいる」
ということです。
確かに、千代田区はハイソなイメージがありますが、やっぱり住民対応で揉めるのは全国共通だと思います。
だから、千代田区にあまり過度な期待はしすぎないほうがいいかもしれません。
区役所に通うのが大変
千代田区役所は通勤ラッシュがきついかもしれません。
千代田区役所の本庁舎は九段下に位置しており、ほとんどの職員が電車通勤をしています。
職員寮に入れば別ですが、千代田区は一人暮らしの賃貸物件を借りるのはなかなか難しいからです。
千代田区役所の最寄り駅である九段下駅は、東西線と半蔵門線がありますが、いずれも東京メトロの地下鉄混雑率がトップクラスの路線です。
千代田区職員の勤務時間は8時30分〜17時15分が基本であるため、通勤ラッシュ時間帯とモロかぶりします。
そのため、電車通勤する場合はかなり激しいラッシュに巻き込まれること必至です。
ある程度通勤の不便さは覚悟した方がいいかもしれません。
もしくは、家賃の安い葛飾区辺りから自転車で通勤するしか方法はないかもしれません。
採用数・職員数が少ない
千代田区役所は採用数だけでなく、職員数も23区中最も少ないです。
やはり採用数が多い方が、入区してから同期とワイワイしてて楽しさはあります。
個人的な主観にはなりますが、採用数や職員数が少ない職場は人間関係が狭くなりがちです。
そのため、気の合わない人がいたとき逃げ場が少なくて辛いかもしれません。
また、採用数が少ないので千代田区への入庁は狭き門となっています。
特別区人事委員会の面接で、3桁合格をしていないとお声がかかるのはレアケースという意見もあります。
千代田区を希望する人は絶対に「第一志望」として提出することをおすすめしますよ。
【まとめ】千代田区は市区町村の役所の中では間違いなくトップクラスの待遇の役所
千代田区役所は、財政面・福利厚生・立地条件は全てトップクラスで、23区の中でも上位に位置する恵まれた区であると言えるでしょう。
千代田区役所の就職を志望する人は、特別区人事委員会の試験では、合格ラインすれすれを狙うのではなく、合格者の中でもトップ層を狙えるように対策することをお勧めします。
ご覧いただきありがとうございました。