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大学院から公務員へ就職する人は多いです。
特に文系の大学院の場合、公務員はむしろメジャーな就職先といって良いでしょう。
大学院生は、専門的な知識があるため筆記試験に強いですし、専門性を身につけることで専門職への就職の幅が広がります。
実際に私の職場の公務員20名のうち、2名が大学院卒です。
(つまり職場内の10%が大学院卒)
また、公務員の学歴は、役所の規模が大きくなるほどインフレする傾向にある(国家公務員>都道府県庁>市区町村の順に学歴水準が高い)ので、国家総合職の大学院卒者の割合はもっと高いでしょう。

大学院に進学しようかな〜? それとも公務員に就職しようかな〜?
これら2つの選択で迷っている人は基本的には公務員になるのがオススメです。
明確な目的がない人は公務員になるのがおすすめ
単に「公務員」になることが目的の人であれば、大学院進学せずに公務員へ就職するのがおすすめです。(とりあえずどこに就職したいか決まってないけど公務員になりたい!という人が当てはまります。)
公務員になることが目的であれば大学院進学は遠回りだからです。
公務員試験は、1年程度浪人すればどこかしらの内定を得られる可能性が非常に高いです。
一方で、大学院に進学すると卒業するまで最低2年間費やすことになる上に、大学院進学をしたからといって合格する保証がありません。
さらに、大学院での研究時間も必要なため、公務員試験に充てられる時間が少なくなるでメリットもあります。
2年間時間を費やした上に不合格になったら時間的な損失は非常に大きいです。
「公務員試験に合格できなかったからとりあえず大学院進学して再チャレンジ」安易に考えずに就職留年して公務員になる方がおすすめだと思います。
明確な目的がある場合「大学院進学」がおすすめ
明確に就職したい役所や、就きたい職種が決まっている場合は大学院進学がおすすめです。
特に、学歴が選考に大きく影響する国家総合職や高度な専門性を要する外務専門官や技術職への就職を希望する場合は大学院への進学をオススメします
内定に結びつく可能性が高くなり、多くの時間とお金をかけるコストに見合うリターンを得られるからです。
公務員試験に合格しても大学院は卒業したほうがいい
一般的には大学院を卒業してから就職したほうがいいです。
第一に、公務員の給料計算において大学院卒の経歴は加算対象になるためより多くの給料を得ることができます。
第二に、もし公務員から転職したくなった場合に大学院卒という経歴が有利に働きます。
反対に、大学院中退という経歴は転職活動などの際に必ずツッコまれるポイントとなり不利に働くケースも多いです。
また、学歴コンプレックスを拭うために大学院に進学している場合も卒業したほうがいいです。
中退という経歴が将来的にさらにコンプレックスを広げてしまう恐れがあるからです。
公務員試験の滑り止めとして大学院に通っていた場合は辞めてもいい
学部で公務員試験に落ちて、保険として大学院に進んだ場合は辞めてもいいです。
そもそも公務員になることが最終目的なのあれば、就職先が決まった時点で大学院に通う目的がなくなるからです。
1年でも早く就職して賃金を得たほうが経済的にお得です。
私の職場でも、理系大学院修士を2年目に中退している公務員がいます。
大学院卒の学歴は出世に学歴はほとんど関係ない(ただし学校歴は多少影響有)
私の職場を見る限り、「大卒」か「大学院卒」かといった学歴は出世にほとんど影響しません。(ただし、昇任試験などは筆記試験があるため、学力という点では大学院卒にアドバンテージがあります)
「仕事の出来」や「職場の人間関係」の方が圧倒的に出世に影響を与えています。
ただし、A大学卒・B大学卒といった「学校歴」は多少影響することがあります。
同じ大学卒業同士での飲み会や交流会などが行われており、そこで培われた人間関係が出世に影響を与える可能性はあります。
ただし、そういった交流会での出会いもあくまできっかけの一つに過ぎません。
実際に、私の職場には、高校卒でも仕事ができて昇進されている職員もいますし、大学院卒でもそこまで評価されていない人もいます。
実感としては、「本当にちょっとだけ学校歴が影響してくるかもな〜」位のもので、大学卒か院卒といった学歴はみんな気にも留めません。
学歴の影響は市役所に限って言えばほとんどまったくないと言っていいでしょう。
(ただし国家総合職など学歴が影響するかもしれません。 )
公務員をしながら大学院に通うのは基本的に難しい
大学院修士一年目に公務員試験を受験して合格する人がいます。
その場合、公務員として働きながら大学院を卒業できるかというと実際はかなり難しいです。
まず、大学院を卒業したいと希望しても、そういった点を考慮してくれる職場に配属されるとは限らないからです。
人員の都合上非常に忙しい部署に配属されてしまい、大学院へ通うことを断念せざるを得ないケースもあります。
また、大学院と仕事の両立に疲弊することは間違いありません。
特に、 社会人1年目は仕事を覚えるために残業したり、同期との飲み会などの付き合いもあり、精神的にもなかなかきついと思います。
大学院を卒業するか、公務員への就職を諦めるかはっきりと決めることをオススメします。
公務員と大学院卒業を両立したい人は国家公務員がおすすめ
大学院に通いながら公務員試験の力試しをしたい人に有効なのが、国家公務員試験を受験することです。
国家公務員は最終合格者名簿の有効期限が3年間あるからです。
例えば、大学院1年次に国家公務員の最終合格を果たしていれば、大学院2年次の公務員試験は、筆記試験をパスして官庁訪問から始められます。
公務員試験の最終合格者名簿を保険としながら、大学院を続けることができます。
ただし注意点として、内定が3年間有効なわけではありません。
通常、国家公務員は『最終合格者名簿に載る→官庁訪問で内定』といった流れになりますが、最終合格者名簿には3年間載りますが、官庁訪問の内定は内定した年に就職しないと無効となります。
毎年、採用者数の管理をしているため受験生がいついつから働きたいです!と言っても採用計画上かなり無理があります。
公務員になるために大学院に通っている人は1年次から通信制の公務員予備校を活用することをオススメします。
研究活動を両立できるだけでなく、2年次に本格的な試験勉強を迎えるまでに公務員試験勉強を先取りできるからです。
具体的には以下の公務員予備校です。
基本的にどの予備校でも資料請求によって受講料の割引を受けることができるため、資料請求をしておくのがオススメです。
予備校名 | 費用 | 特徴 |
クレアール ![]() | 【1年合格 行政系併願総合コース】 一般価格:270000円 5月限定価格:205000円 ・ 3万円の追加料金で1年間の受講期限延長できる (※合格すれば返金される) ※上記以外にも複数コースがあります。 (講座ごとに約13万円〜30万円程度)詳細は資料請求 ![]() | 【論文添削】 回数無制限 【模擬面接】 回数無制限 (ただし、対面での指導は水道橋本校のみ。 通学できない人は電話・メールでも面接指導を受けられる) 【ES添削】 回数無制限 【模試】 講座に含まれる |
Z会 ![]() | 【地方上級・国家一般職(行政・事務区分)】 178000円 【東京都・地方上級本科】 188000円 【市役所・地方上級・国家一般職本科】 96000円 | 【論文添削】 回数無制限 【模擬面接】 オプションで追加申し込み可能 【ES添削】 回数無制限 【模試】 オプションで申し込み可能 |
スタディング ![]() | 【地方上級・市役所 教養合格コース】 一般価格:598000円 キャンペーン価格:498000円 【地方上級・市役所 教養/論文・面接コース】 一般価格:49800円 【社会人経験者合格コース】 一般価格:59800円 ・各講座とも12カ月分割払いが可能 | 【論文添削】 回数無制限 【模擬面接】 なし 【ES添削】 回数無制限 【模試】 なし |
大学院から公務員になる人は多いです。
基本的に大学院へは明確な目的が決まっている人が進学することをオススメします。
公務員をやりながら大学院へ通学することは通常難しいので、卒業してから公務員になりましょう。
ここまでご覧いただきありがとうございました。