2018年の地方公務員の平均年収をご紹介します。
この記事の平均年収は「平成30年 地方公務員給与実態調査結果の状況」の統計情報を基に作成しています。
では、さっそく地方公務員の平均年収をご紹介します。
地方公務員の平均年収
- 全地方公務員の年収:667.3万円(平均年齢は40歳くらい)
- 地方公務員一般行政職の年収:640.2万円
- 地方公務員技能労務職の年収:632.7万円
- 地方公務員・小中学校教育職の年収:689.6万円
- 地方公務員・高等学校教育職の年収:734.5万円
- 2018年のボーナス(人事院勧告賞与):4.45ヶ月分(全地方公務員の平均は180万円)
全地方公務員の年収:667.3万円
2018年の全地方公務員の平均年収は667.3万円です。
2018年のサラリーマンの平均年収は440.7万円(平成30年分民間給与実態統計調査結果について(国税庁))を220万円以上も上回っています。
つまり、公務員の年収は世間の平均よりけっこう高いです。
この667.3万円という年収はすべての地方公務員の年収なので、公務員の職種によってさらに年収が異なります。
地方公務員の平均年収を月額の手取りに換算すると?
地方公務員の平均年収を月額の手取りに換算すると、
- 毎月の給料手取が30万円くらい
- 年2回、夏と冬に手取70万円のボーナスが支給される
といった感じです。
結婚して子育てしている場合、贅沢はできないですが決して生活に困る水準の給料ではありません。
結婚して、子供をもって満足いく生活をおくることができる年収です。
また、独身の場合であれば、非常にゆとりのある生活をおくることができます。
地方公務員一般行政職の年収:640.2万円
一般行政職とは、役所でデスクワークや窓口業務に従事する公務員です。
「公務員」と言われてパッと思い浮かぶような職種の人です。
この一般行政職は地方公務員の中で最も多い数が多い職種です。
特殊な手当などは存在しませんが、役所の中枢を担っており、とても残業が多い職種の公務員でもあります。
それにより残業代が多く支給されてるため、平均年収は様々な手当がある労務職よりも高くなっています。
地方公務員技能労務職の年収:632.7万円
技能労務職とは技能的な職務を行う人達です。
具体的には、次のような職種の人が含まれます。
技能労務職の種類
- 清掃職員:ゴミの収集
- 用務員:建物の清掃
- 自動車運転手:ゴミ収集車などの運転
- 守衛:役所の警備
- 電話交換手:役所の代表番号にかかってきた電話を取り次ぐ
- バス事業運転手:公営バスの運転
また、技能労務職の人には次のような手当が付与されます。
技能労務職が得られる手当
- 夜勤手当:深夜労働に対する手当
- 宿日直手当:泊まり込み労働に対する手当
- 特殊勤務手当:危険な場所などの労働に対する手当
技能労務職の年収が低い理由
技能労務職には、割といろいろな手当が設けてある割に平均年収が低いです。
その理由は2つあります。
- 給与テーブルがもともと低い
- 残業がほぼ皆無
技能労務職の給与テーブルはすべての地方公務員の職種の中で最も低い給料水準となっています。
また、技能労務職は残業が圧倒的に少ないことも理由として挙げられます。
例えば、ゴミの収集作業に従事する清掃職員は、午前中にゴミ収集を終えれば午後はほとんど全くやることがなくなり、基本的に暇なことが多いです。
また、役所の警備などに従事する守衛は、2~3シフト制を組んで時間制交代勤務するため基本的に残業はありません。
こういった要因で技能労務職の年収は低めになっています。
地方公務員・小中学校教育職の年収:689.6万円
小中学校教育職とは、公立の小学校や中学校の先生を指します。
小中学校教育職の年収は一般行政職と比べて50万円も高いです。
その理由は、教育職には非常に豊富な手当が用意されているからです。
教育職の手当には次のようなものがあります。
小中学校教育職の手当
- 教職調整額:給料の4%を無条件に加算(代わりに時間外手当と休日手当が支給されない)
- 義務教育等教員特別手当:義務教育機関に勤務する教員への手当。「義務教育手当」と謳いつつ高校教員にも支給される事が多い
- 教員特殊業務手当:部活動指導や修学旅行の引率に支払われる手当
- 給料の調整額:特別支援学級に勤務する人への手当
- へき地手当:山間部や離島に勤務する人への手当
このような手当が存在しており、平均年収が地方公務員平均より高めに算出されています
地方公務員・高等学校教育職の年収:734.5万円
地方公務員職種の中で最も年収が高いのが高等学校教育職です。
おなじ教育職なのに、高校の先生のほうが小・中学校の先生より年収が高いのはどうしてでしょうか?
その理由は2つあります。
高等学校教育職のほうが小中学校教育職より年収が高い理由!
- 高校教諭のみが適用を受ける手当がある
- 昔は高校の先生のほうが給与テーブルが高かった
1つ目の理由は、同じ教育職でも高校教諭のみが適用を受ける手当があるからです
高校教諭のみが受けられる手当には次のようなものがあります。
高校教諭だけが受けられる手当
- 産業教育手当:工業高校などに勤める人への手当
- 定時制通信教育手当:定時制学校に勤務する人への手当
工業高校や定時制高校などは高校にしか存在しません。
(「工業中学校」や「定時制中学校」なんて学校は聞いたことないですよね。)
そのため、工業高校や定時制高校に勤める高校教諭は手当を受けることになり、年収が高くなります。
もう一つの理由は、かつて高校教諭のほうが給料テーブルが高かったからです。
昔は高校に通う人は今ほど多くなく、高度な知識を学ぶ場所という認識が強かったです。
そのため、
「高校=高等な知識を学ぶ場所なので専門性が必要=だから給料も高くする!」
という考え方のもと、高校教諭の給料テーブルは小中学校教諭よりも高かったです。
ですが現代では、高校は95%以上の人が進学しており、実質的に義務教育の一部と化しました。
こういった時代の背景を受けて、徐々に高校教諭と小中学校教諭の給与テーブルは一本化されつつあります。
つまり、給料テーブルが高かった世代の高校教諭が統計に含まれているため、平均値を大きく引き上げています。
今後は小中学校教諭と高校教諭の平均年収の差は縮小していくでしょう。
ですが、それを差し引いても高校教諭の年収はかなり高水準なので、かなり恵まれた生活をおくることが可能です。
まとめ
2019年版地方公務員の平均年収についてまとめました。
ざっくりと言うならば、個人的に公務員の給料は『中の上』くらいのイメージだと思います。
めちゃくちゃ給料が高いわけではありませんが、生活するのに決して困りませんし、平均よりも高いです。
また、公務員の本当の強みは『ワークライフバランス』や『福利厚生』にあると思っているので、年収に比べてかなりコスパの良い職業だと思います。
ご覧頂きありがとうございました。