給料から組合費が毎月2500円くらい引かれる。
公務員として働いて、はじめての給料日。
給与明細ってこういうものか〜、とはじめて自分で稼いだ給料をまじまじ見てみると、
よくわからない項目を見つけました。
「互助組合費」
「組互助会費」
「労金返還金等」
????、、、なんぞこれは??
合計で大体2500円位差し引かれていることに気づきます。
先輩に聞いたら「これは労働組合の会費だよ」と言われました。
大卒初任給は額面で大体22万円弱でした。手取りに換算すると18万円程度。
そこから毎月コンスタントに2500円引かれるというのは、地方から出てきて一人暮らしをしている筆者にとっては決して安くない金額です。
いつ労働組合なんて入った? 〜さかのぼること入庁日初日〜
おれ、労働組合なんて入ったっけ?って考えてたら、思い当たる節がありました。
〜さかのぼること入庁日初日〜
入庁日の初日は新規採用職員は、人事から人事規則や給与の仕組みについて説明を受けることになっていました。
ひととおり人事からの説明が終わった後、
という掛け声とともに、
入口から中高年の男性職員らしき人たちが狭い部屋に10名くらいはいってきて部屋を取り囲みました。
と少し不信感を抱いていると、正面のリーダーらしき人が
その掛け声とともに周囲にいた他9人の中高年男性が用紙を配り始めました。
それまで人事から採用手続きのために、宣誓書やらなにやらいろいろと書類を書かされていました。
入庁して右も左も分からない新規採用の職員たちにとっては、職場の先輩社員の言うことを拒否するなんて発想はまるでありません。
「なんか変な私服来てる怪しいおっさんだけど、みんな名前書いてるし書いちゃえ!」といって私も名前を書きました。
そして用紙を回収する時、
とちょっと強めの声が後ろから聞こえました。その人は某県庁から転職してきた経験者採用の女性同期でした。
くらいに思っていると、部屋の隅にいた組他の合員たちがよってたかってその同期のことを取り囲みはじめました。
取り囲むと同時に同期女性に対してやいのやいの言い出しました。
と思って周囲を見渡したものの、人事の人はどこにもいません。
組合の説明が始まるときに人事の人はみんな退室していたようです。
部屋にいる大人は組合員だけで、しかも寄ってたかって新入職員の女性をを取り囲んで恫喝しているという、なんとも異様な構図が出来上がりました。
この光景には、さすがに周りの他の同期たちもざわついていました。
結局その同期女性は加入を拒み続け、時間切れにより同期女性は組合に入りませんでした。
と思い出しました。
当時は、まあ新規採用の公務員ってこういうものなのかなって思いました。
と声をかけてきたのは後ろのデスクの先輩でした。
その時は、12月の年末で部署の仕事が非常に暇なときでした。
と言われました。
でも、他の先輩の話では、組合を脱退しようとすると、
「組合を脱退するには労働組合の委員長と直接対談しなくちゃいけない」
とか
「脱退しようとすると『この非国民があ!』と罵られた先輩がいる」
とかいろいろ良くない話を聞いてました。
確かにヤフー知恵袋で
『労働組合 脱退』
と検索すると、、、
などなど出てきます。
うーん、なんとなく怖いイメージがある。。。
しかし、入庁三年目でそれまで払った組合費は
3年間『2500円✕12ヶ月✕3年間=9万円』
大体10万円くらいになる。10万円あれば沖縄旅行くらいならいけるだろう。
もしこの職場で一生働くとすると、公務員の定年は65歳だから、65歳−23歳で残り42年間働くことになる。すると
『2500円✕12ヶ月✕42年間=126万円!』
これだけのお金があればちょっとした中古の車くらいなら買えるんじゃないか!
そうおもった筆者は労働組合をやめることを決心しました。
が、直接労働組合に話しを聞きに行くのはやっぱり怖いです。
そこで、先輩に「脱退届もらってきてくれたら1000円あげますよ!笑」とかなんとかいって、ひとまず情報を入手することにしました。
仮に先輩に1000円払っても毎月2000円も謎に引かれているものがなくなれば全然元は取れます!
どうやって組合を脱退するの??
昼休みに組合に行ってきた先輩に話を聞きました。
すると
「脱退届って書式はなくて、自分で作って自分で出す」
とのこと。
やり取りの経緯を聞くとこんな感じだったそうだ、、、
「いやいや先輩心臓つえーな、おい笑」と思うと同時に「なんかめっちゃ怖いイメージのある労働組合からよく聞き出した!!」と思いました。
と聞いたら、
つまり、先輩は直接行くのが面倒なので交換便で脱退届を提出したのです。
組合のえらい人が職場に来る
労働組合に脱退届を出した2日後に、後ろのデスクの先輩宛に職場の上司を経由して組合の副委員長が話をしたいと連絡してきました。
しかも、職場の上司も話し合いに同席するとのこと。笑
組合は、職場の上司を話し合いに同席させてプレッシャーを掛けることで脱退を阻止しようとしたのでしょう。
ある意味これも職務上の立場を利用してプレッシャーを掛けてるパワハラみたいなもので、パワハラ根絶しようとしてる組織がこういうことをしてくるのはいかがなものかと思いました。笑
私は労働組合は脱退したいと思っているし、脱退するにしてもできる限り揉めたくはなかったです。
だから、先輩がやったように交換便で提出して、何事もなく受理されればそうしようと思っていました。
しかし実際はわざわざ職場の上司まで経由して脱退を阻止しようとしてきます。これでは職場の上司もいい迷惑ですし、何より自分も職場でやりにくくなる可能性があります。
そこで筆者は組合に直接直談判して脱退届を提出しようと決心しました。つまり、できる限り他の人を話し合いに同席させないように策を練りました。
脱退する理由を考える際の3つのポイント
脱退する理由を考えるにあたって次のことに注意しました。
労働組合は職員の待遇のために日頃から尽力しているというプライドがあるので、労働組合の気持ちを逆なでしないこと。組合のプライドを尊重して、敵に回さないこと
労働組合を敵に回して良いことはありません。職場のほぼ全員が組合員だし、万が一職場の上司からパワハラまがいのことをされたときに頼れる先がなくなってしまうからです。
1.労働組合の活動理念に反しないような脱退理由を話すこと
労働組合の存在意義そのものを否定するような理由はだめです。例えば「組合費を払う意味がわからない。」とか「組合活動なんて時代遅れなことまだやってるの?」とかそういうことです。間違いなく脱退するとき揉めるからです。
2.今後、万が一組合に戻る必要が生じたときのために、労働組合に復帰しても問題ないような理由を考えること
労働組合を脱退して、デメリットを感じることがある場合、再度戻ることも視野に入れました。(デメリットなんて多分そんなに無いかもしれませんが、万が一のために。)
3.万が一職場の上司が巻き込まれそうになったら、なんとか一対一で話ができるような理由付けをすること。
職場の上司を組合脱退に話し合いに巻き込まれると、後ろのデスクの先輩のように面倒くさいことになると思ったので、なんとか一対一で話し合う理由を考えました。
そこで私が考えたシナリオは「経済的理由」です。そのために私は次の情報を理由として考えました。
私が考えた脱退理由
- 両親が病気で仕事ができなくなってしまったことをなんとなくぼかしたニュアンスで伝える
- そのために実家に仕送りをしていること
- 一人暮らしで生活費にも困っていること
- 労働組合の活動には日頃から感謝をしていること
この理由はいってしまえば嘘です。良くいえば「建前」とも言います。
まずこの理由であれば労働組合の活動理念に反しません。
また、経済的事情が回復すれば労働組合に復帰することも可能です。
さらに、「デリケートな話題なので他の人を交えないで一対一で話をさせてほしい」といえば他の人を巻き込んでプレッシャーをかけるような真似はできなくなります。
しかも、こういった「建前」はバレるリスクは有るんですが、デリケートな話題は基本的に口外されにくいので、バレるリスクも低いです。
また、万が一周囲に口外されていても「あんまりこういったことは話したくないので、、」と気まずい雰囲気を出せば追求もされません。
話し合いに行くタイミングはお昼休みを選びました。13時から仕事が再開されるので、話が長引きそうになっても仕事を理由に切り上げることができるからです。これが就業後とかに行くと、際限なく話をするはめになるかもしれないと思ったからです。
12時のお昼になったら、コンビニで買ったサンドウィッチを食べて12時10分位に組合室に行きました。
お昼休みだったためか、誰も組合室にはおらず、3分位室内で待っていると組合長が戻ってきました。
労働組合の脱退交渉開始
いきなり君はどうしちゃったの??
とりあえず話聞くからそこ座ってよ!
意外にも、この時点でゴリ押しすれば脱退を受理してもらえそうな雰囲気でした。
こんな感じで割と円満に結果労働組合を脱退することができました。
終わってみて少し良心が痛みましたが。
話してみた感じ別に思い込みが会って全く話が通じない人というわけでは決してなく、労働組合活動に本当にしっかりと取り組んでいる普通のおじさんでした。
ちょっと癖はあるかもしれませんが笑
そもそも労働組合って何してるの?
先輩とのやり取りで、組合のえらいひとがいっていたように
職員の権利に関わるものを自治体の経営者側(課長級以上の管理職者)と話し合う役割を果たしています。
そして、筆者の給料から引かれている「互助組合費」・「組互助会費」・「労金返還金等」もこれら組合員が交渉をするための費用として徴収されています。
これはどういうことかというと労働組合の偉い人たちというのは「組合専従者」とよばれ、その名の通り組合活動だけに専念してます。
労働組合の人達も給料をもらわなかったら生活できませんが、自治体から直接給料がでてません。
それは、労働組合員に給料を払うことは労働組合法で「不当労働行為」として定められてるからです。
ってなるのを防ぐためです。
このセリフは同じ係の職員の言葉です。
たしかに、組合活動によって自治体で働いているすべての職員が恩恵を受けているのも事実です。
自治体のえらいひとたちと交渉して、「一般職員に少しでも高い給料を!少しでも職員の権利を!」という活動をした結果、毎年の給料テーブルが決定されたり、職員の処遇が決定されています。
組合費を払っていて恩恵を感じることは普通はありません。
でもだからといって、労働組合に加入しているすべての職員が脱退したらどうなるか?
上で説明した「組合専従者」の給料が払えなくなり、労働組合は壊滅。
結果的に、自治体のえらいひと言い分が言い値でそのままとおるようになり
「給料は激安・病気になった職員はすぐ退職させる!」というくそみたいなブラック組織ができあがってしまうかもしれません。
結局誰かが労働組合の活動費を払うことでしか、労働組合は活動を続けることはできません。
同じ係の後輩はそういった制度的な仕組みと誰かがやらなくてはいけない、という気概で上記のような発言をしたのです。
まとめ
労働組合は、入庁するとよくわからないまま加入させられよくわからないまま組合費を徴収してたりします。
しかしその一方で、実は職員のためにけっこう働いてたりします。
それらを踏まえた上で、労働組合に「加入し続ける」か「脱退する」かを選択するのはあなたの自由です。
労働組合を辞めてしばらく経ってからわかったことについても記事にしてみました。