制度を使用するときの注意点ってなんだろう?
実際はどういったケースで使用されているんだろう?
こういった疑問にお答えします。
公務員には「子の看護休暇」という制度があります。
子供の看護のために使用できる特別休暇
多くの自治体では、「子供が小学校を卒業するまでの間、職員がその子の看護のため勤務しないことが相当と認められる場合の休暇制度」となっています。
法律で定められている子の看護休暇の最低ラインが「子供が6歳に達するまでの間」となっているので、公務員はこの2倍に相当する12歳まで子の看護休暇が取得可能です。
この点では公務員はかなり恵まれていると言えます。
(ちなみに、わたしの市では9歳まででした、、、 )
取得条件
子の看護休暇を取得するためには、次の2つの条件を満たす必要があります
小学校6年生が終了するまでの子を養育する職員であること
職員の子供を療養することが要件となります。
例えば、友達の子供の看病をするというケースの場合、この条件を満たさないので取得できません。
負傷し、もしくは疾病にかかった子の世話、または疾病の予防を図るために必要なその子の世話を職員が行うこと。
子の看護休暇を取得する職員自身が、病気や怪我をした子供を世話することが条件となります。
例えば、子供が病気だけど世話を奥さんに任せて自分は遊びに出かけるというケースの場合、この条件を満たさないので取得できません。
(当たり前ですね。笑
付与期間及び取得期間
対象となる子が1人の場合は、1年につき最大5日取得できます。
対象となる子2人以上の場合、1年につき最大10日取得できます。
また、1時間単位での取得も可能です。
休暇は1月〜12月を一区切りとして付与される「暦年付与方式」です。
ただし、翌年への繰越はできません。
給料
給料は満額支給されます。
よくある質問と疑問点
医師の診断書は不要です
子の看護のための休暇は、医師の診断書等の提出を義務付けておらず、課長が個別に判断して承認するものです。
ただし、課長が必要に応じて医師の診断書の提出を求める場合は必要となります。
子供が2人以上いる場合、1人に対して5日以上使用しても大丈夫です。
子の看護休暇は子供の人数に対する付与日数は決められていますが、一人あたりの取得上限日数は設けられていないからです。
例えば、兄弟がいて特に下の子が病弱だったりする場合、10日間すべてを下のこの看病に使うことができます。
両親がともに職員の場合はどちらも子の看護休暇を使用できます。
子の看護休暇は職員一人ひとりに付与される休暇です。
そのため両親がどちらも職員の場合、父母両方がそれぞれ子の看護休暇を使用できます。
仮に両親がどちらも公務員で、小学校3年生以下の子供が2人いる場合、年間で最大20日間取得可能となります。
養子でも取得可能
子の看護休暇は、養子縁組をしている子に対しても取得可能です。
さらに、実子や養子縁組の関係になくても、児童相談所などから里親として委託された子供に対しても使用可能です。
形式上の親子関係よりも実態的な親子関係にあるかどうかが、子の看護休暇取得の基準となります。
配偶者が専業主婦であっても取得可能
職員が子の看護を行う必要があり、実際にその看護を行う場合には取得できます。
子の看護休暇は配偶者の職業について特に規定を設けていないからです。
例えば、配偶者が専業主婦だったとしても、自宅に不在のため職員が世話をしなければいけない場合は取得可能です。
実際にどのようなケースで使用されるのか?
子供の看護のためには通常「有給休暇」を使用することがほとんどです。
子の看護のために、「子の看護休暇」を使用することは制度上可能ですが、実際はほとんどの職員が有給休暇を使用します。
有給休暇は年間で20日も付与されており、通常の職員は使い切れないことがほとんどなので、わざわざ子の看護休暇を取得する必要がないからです。
子供が重篤な病気の場合に使用するケースがあります
有給の使用だけでは足りないくらい子供の病気が重篤な場合に使用するケースがありました。
私が遭遇したケースだと、職員の子供が重大なメンタル系の病気を患ってしまい付きっきりの看病が必要なケースでした。
子供が自傷行為などを行うため、常に目が離せない状況です。
子の看護休暇は、「短期の介護休暇」や「介護休暇」等と併せて使用することが多い
子供の看病のために休暇を取得する場合、 通常は
有給休暇⇛子の看護休暇⇛短期の介護休暇⇛介護休暇
という順序で取得します。
右に行くほど取得するのに手間がかかるからです。
有給休暇と子の看護休暇は自己申告で取得可能なのに対して、短期の介護休暇は申請理由を細かく説明する必要があります。さらに、介護休暇は医師の診断書などが必須です。
また、有給休暇・子の看護休暇・短期の介護休暇は有給ですが、介護休暇は無休の休暇のため、有給休暇から先に使用したほうが経済的にもお得だからです。
まとめ
子の看護の休暇について解説しました。
通常使用する機会はあまりない制度ですが、お子さんが重大な病気にかかるリスクは誰にでもあります。
そんなときに使用するのが子の看護休暇です。
万が一のリスクに対して備えられる充実した制度は公務員の強みだと思います。
ご覧頂きありがとうございました。