たしかに受験資格としては年齢の上限は上がってるけど本当に内定している人はいるのかな?
年齢制限を気にする場合どういった戦略を取ればいいんだろうか?
こういった疑問にお答えします。
公務員の採用年齢上限は年々広がっている
公務員の採用年齢幅は昔よりも広がってきています。
少子高齢化による人材不足に加え、より多様な価値観を持った人材を採用しようとする傾向が続いています。
昔は存在しなかった社会人経験者枠も続々と増えており、公務員への就職の門戸が開かれてきています。
公務員受験の年齢制限は何歳まで?
公務員試験の年齢制限は受験する試験の種類によって異なります。
各組織が法令・規則などで採用年齢の上限を設定しているからです
以下に、各組織の公務員の年齢制限について解説していきます。
採用年の4月1日時点の年齢を表しています。
国家総合職の年齢制限の上限
国家総合職の受験方式には、主に「大卒程度」「大学院卒程度」「経験者採用」の3種類が存在しています。
大卒・大学院卒程度:30歳
国家総合職の、大卒・大学院卒程度の年齢制限は30歳です。
ただし、大卒・大学院卒の学歴が必要となります。
人事院によると、国家総合職の合格者内訳で、大卒・大学院卒以外の合格者は0人でした。
4 合格者の出身学校
2019年度国家公務員採用総合職試験の合格者発表(人事院HPより)
総合職試験全体の出身学校別の合格者数は、国立大学1,274人(70.9%)、公立大学50人(2.8%)、私立大学468人(26.0%)、その他外国の大学等6人(0.3%)でした。
また、合格者の出身学校数は、全体で130校(昨年度111校)となりました。
https://www.jinji.go.jp/kisya/1906/sougousaigou.html
受験するためには、年齢制限に加えて学歴の要件も加わります。
経験者採用試験(係長級):60歳
(ただし、大卒・大学院卒)
国家総合職の経験者採用は60歳まで受験可能です。ただし、大学・大学院を卒業してから2年以上経過している必要があります。
また、係長クラスのポジションの人を募集しているため、一定の社会人経験が必要となります。
国家総合職で係長クラスの採用となると、年齢的には30歳前後以上の人を採用することを想定していると思われます。
実際に、内定者パンフレットを見てみると30歳前後よりも年数が高い人もいます。
一方で、40代以上の方も内定者には相当数いらっしゃるようで、かなり幅広い年齢の方が多いようです。
ですが、その分しっかりとキャリアを積み重ねている人が多い印象です。
国家総合職経験者採用内定者経歴
国家総合職内定者の経歴をまとめました。
(年齢については勤務経歴等から推測しています。)
人事院HPより引用
国家総合職31年度内定者パンフレット
国家総合職30年度内定者パンフレット
国家一般職の年齢制限
国家一般職は、一般職試験(高卒者試験・社会人試験(係員級)・税務職員)の3種類に分かれています。
大卒程度:30歳
大卒程度試験は30歳まで受験可能です。
社会人試験(係員級):40歳
国家一般職は経験者採用の場合、40歳が上限です。
国家一般職は、合格者の学歴が公表されていませんが、大卒者が最も多いです。もちろん高卒者も合格者に含まれています。また、中卒者でも受験資格があります。
国家一般職は国家総合職と比較して門戸が広い試験となっています。
都道府県庁の年齢制限
都道府県庁は国家公務員より年齢制限がの上限が高いところが多いです。
多くの都道府県庁が大卒一般事務なら30歳〜35歳程度まで受験可能です。
また、都市部の自治体(東京都や大阪府)は大卒程度と大学院卒程度で2つに区分けをしているところが多く、大学院卒枠のほうが年齢制限の上限は広いものの、採油人数が少ないため狭き門となっています。
さらに、経験者採用であれば60歳までで一定年数以上の社会人経験(たいてい5年以上)があれば受験できるところも多く存在します。
市区町村の役所の年齢制限
市区町村の役所は自治体によって年齢上限が幅広く、25歳〜35歳程度までが上限となっています。
傾向としては、首都圏の役所ほど採用年齢の上限が高く、地方の役所ほど採用年齢の上限が低いです。
また、社会人経験採用枠は多くの自治体で60歳までで一定年数以上(たいてい5年以上)の社会人経験を必要とします。
年齢制限を気にする人の受験戦略
35歳未満の人は一刻も早く受験を開始して、一般受験枠を狙う
年齢制限を気にする人の多くは、一般受験枠の年齢ギリギリの方が多いと思います。
そういった方は一刻も早く受験を開始し、一般受験枠で受験することをオススメします。
一般受験枠のほうが社会人受験枠より倍率が低いからです。
横浜市を例に上げると一般受験枠の倍率が5倍程度なのに比べて、社会人経験者枠は30倍程度に跳ね上がります。
また、公務員試験は年齢が高くなればなるほど合格難易度は上がるからです。
年齢が高くなれば、採用にあたって求められるスキルや経験のハードルも高くなります。
たしかに、昔よりも受験資格の年齢幅は広がっていますが、それでも高年齢の人は私の市役所に就職してくることは非常に珍しいです。
例えば、私の市役所の場合、一般係員クラスの人であれば、60歳まで受験できる社会人経験者採用枠でも実際には33歳位までの人しか就職していません。
一般係員クラスであれば30歳後半以上を採用するメリットが無いと判断されているのかもしれません。
一方で、係長クラスであれば40歳位まででも採用があり、課長クラスであれば50歳位まで採用された実績があるようです。
年齢が高くなるにつれて、それ相応の経験とスキルを持っていないと実際に採用されるのは難しいでしょう。
ただし、例外的に専門職であれば年齢上限が高いです。
一般行政職よりも需要が高いため、一般係員クラスだとしてもある程度高い年齢の人でも採用される傾向にあります。
特に、保健師などはどこの自治体でも不足することが多く、一般事務よりも年齢上限を高めに設定している自治体が多いです。
いずれにしても若い方が合格率が高まるため、迷っている暇があれば、年齢制限に掛かる前に1年でも早く就職・転職活動に望んだほうがいいです。
1年遅れるごとに公務員になれる可能性が少しずつ下がっていくからです。
特に一つの節目である30歳を超えると、一般受験では国家公務員と多くの都道府県庁の受験ができなくなります。
準備が不完全でも挑戦することが大切です。
準備不足という理由ならまぐれで合格する可能性もありますが、受験資格がなければ100%合格することもありません。
35歳以上の人は仕事で実績を作って社会人経験者枠を狙う
35歳以上の人は社会人経験者枠を狙いましょう。
公務員への転職を目指している人は35歳を超えると、高卒・大卒・大学院卒向けの一般受験枠で受験できる組織がほとんどなくなるからです。
社会人経験者採用枠であれば、多くの自治体で60歳まで受験が可能です。
ただし、社会人経験者枠で35歳以上の人には、採用する自治体側は少なくとも係長クラス以上の役割を求めています。
そのため、係長クラス以上の仕事での実績を作ってから面接に臨んだほうが合格する確率が高くなります。
まとめ
公務員の年齢制限についてまとめました。
一般的に国家公務員よりも地方公務員のほうが年齢制限の上限が高いです。
一般受験枠では、国家公務員は30歳、地方公務員は35歳位までを上限としているところが多いです。
社会人受験枠は多くの組織で60歳まで受験可能です。
また、年齢制限を気にする公務員志望の方で、35歳未満の方は一刻も早く受験勉強を開始して一般受験枠を狙いましょう。
35歳を超えると一般受験枠を狙うことが難しくなります。